涌井 古巣西武にリベンジ1勝「伊東監督を男にしたい」

[ 2014年4月16日 07:14 ]

<西・ロ>移籍後初勝利を挙げ、伊東監督(左)から祝福される涌井

パ・リーグ ロッテ3-2西武

(4月15日 県大宮)
 7回、110球を投げ抜き、ベンチに戻ったロッテ・涌井は伊東監督から言葉を掛けられた。とっても辛口だった。

 「こんだけ投げられるんやったら、最初から投げろよ」。8三振を奪い、5安打2失点で移籍後初勝利を手にした。しかし、開幕2連敗で迎えた「三度目の正直」とあって、西武時代からの愛弟子に厳しかった。

 初登板で敗れた1日以来の古巣・西武との2度目の対決。初回、マウンドに上がると、敵地・大宮の西武ファンから猛烈なブーイングを浴びせられた。「もともと想定していたこと」と振り返ったが、初回に4番の浅村に先制打を浴びた。

 「初回に点を取られたことで吹っ切れた。原点に返ろうと思えた」

 原点とは力強い直球を投げること。4回にも1点を失ったが、140キロ中盤の直球で押した。6回には木村をこの日最速の147キロ直球で空振り三振。さらに、7回には西武時代の女房役で「あいつだけは絶対に打たせたくなかった」という炭谷を146キロ直球で空振り三振に仕留めた。

 古巣にリベンジし、今季初白星。プロ野球史上13人目の全12球団勝利というおまけもつき「巡り合わせなのかな。やっと一段落ついた」と笑顔をみせた。2度の最多勝に輝く実績がありながら、ここ2年は先発で結果を残せず、環境を変えることを決めた。西武時代の恩師が指揮を執るロッテにFA移籍した。

 春季キャンプ直前。伊東監督は同じ西武から移籍組の大迫トレーニングコーチに頭を下げた。「涌井を何とかしてやってください」。涌井も「第二のオヤジ」と慕う大迫コーチ。二人三脚で体幹を中心に鍛え直した。その成果は直球の威力が物語った。試合後、指揮官とベンチ前でウイニングボールを手にして記念撮影。スタンドからは元西武コンビに再びブーイングが飛んだが、不思議と耳に入ってこなかった。

 記念球はしっかりバッグにしまった。「伊東監督を男にしたいという気持ちはある。ボールは別にいらないですけどね」。照れ隠しの言葉とは裏腹に、その表情には自信がにじみ出ていた。

 ≪セ、パ全球団勝利は13人目≫涌井(ロ)が古巣の西武戦で初勝利を挙げ、現12球団全てから勝利を記録した。12球団制となった58年以降のセ、パ全球団勝利は、13年木佐貫以来13人目となった。05年の交流戦開始後に達成した10人のうち、最少の2球団に在籍して達成したのは久保、石井、杉内に次ぎ4人目。一方のリーグだけに在籍しての達成は涌井が初めて。

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