李大浩 58打席目で待望の一発「遅れて申し訳ない」

[ 2014年4月14日 05:30 ]

<ソ・オ>4回、左越え本塁打を放つ李大浩

パ・リーグ ソフトバンク4―1オリックス

(4月13日 ヤフオクD)
 ソフトバンク・李大浩内野手(31)は13日、オリックス戦の4回無死、ディクソンから左中間席中段に飛び込む推定130メートルの特大1号ソロを放った。前日の同カードでは金子から自身初となる1試合4三振を喫したうっぷんを晴らし、開幕14試合58打席目で生まれた待望の一発だ。ブライアン・ウルフ投手(33)も8回1失点で移籍後初勝利。チームは今季2度目の3連勝でオリックスに並ぶ首位タイへ躍り出た。

 たまっていた怒りを白球に乗せた。1点リードの4回無死、カウント2ボール1ストライクの4球目だ。ディクソンの外寄り131キロスライダーをとらえた打球は左中間席中段まで飛んでいく。オリックスファンのど真ん中へ着弾した推定飛距離130メートルの特大1号ソロ。李大浩は悠然とダイヤモンドを一周した。

 「チームが3連勝したのはうれしい。1本目のホームランが遅れてしまったのは申し訳ない」

 開幕58打席目での一発を放った感情は喜びではなく、それまで味わった悔しさだった。自分への怒りが頂点に達したのは前日の同カードだ。昨年までのチームメート・金子に来日初の1試合4三振。1、2打席目は手が出なかった。3、4打席は当てられるボールだったが「フルスイングを見せる」と珍しく、力んだ。「(4三振は)野球人生で初めてだった」。この日、試合前に金子を呼び「何で俺だけ、あんな強い球を投げるんだ」と問いただした。入れ替わるように移籍したペーニャはリーグトップの7本塁打。焦りはあった。ただ、金子に「デホだけは抑えたかった」と返され現状でも相手に脅威だと分かり、冷静になれた。

 批判に耐え、黙々と取り組んできた。打率・250、1本塁打、4打点と表面上は苦しんだオープン戦。実はマスコットバットより重い980グラムのバットを使っていた。シーズンでは4番の大役を任される。そのための準備期間に結果は不要。900グラム程度の通常サイズと比べれば圧倒的に重い相棒を振り、生まれたスイングスピードはこの特大の一発を生んだ。

 「デホに待望の一発が出たね。1本出れば気持ちはいいだろうし、感覚も残っている」と秋山監督。チームも今季2度目の3連勝で首位に並び、ムードは最高潮。ただ試合後、李大浩はヒーローインタビューの舞台に立つことを拒んだ。まだ4番の仕事を果たせたわけではない。妥協知らずの主砲の一発は、快進撃への号砲となりそうだ。

 ▼ソフトバンクウルフ(8回4安打1失点で移籍後初勝利)特別なもの。ゴロアウトを重ねることがしっかりとできた。

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2014年4月14日のニュース