辛島「初球から勝負」“マー君流”で8回0封2勝目

[ 2014年4月14日 05:30 ]

<ロ・楽>8回を無四球、無失点で2勝目を挙げた辛島

パ・リーグ 楽天3―0ロッテ

(4月13日 QVC)
 最初から宝刀を抜いた。楽天・辛島が最も自信を持つチェンジアップ。追い込んでからの決め球だけでなく、カウントを整える球としても積極的に使った。5回、先頭・サブローの初球はチェンジアップで入り、最後はシュートで中飛。6回の先頭・ハフマンもチェンジアップから入り、直球で三ゴロに仕留めた。

 「ロッテは積極的に打ってくるので、初球からどんどん勝負しようと思っていた。チェンジアップでカウントを取れるようになったのが大きい」

 昨季まではボールゾーンに落とす決め球でしかなかったチェンジアップ。だが「打者のタイミングさえ外せば、真ん中に投げてもいい」と意識を変え、今では自在にカウントが稼げる。直球は130キロ台中盤だが、スライダーなど、他の変化球も織り交ぜてロッテを散発4安打と翻弄(ほんろう)。8回無四球無失点で2勝目を挙げた。
 
 昨季までエースだった田中(現ヤンキース)が最も面倒を見た弟分。今年1月も4年連続となる合同自主トレを行った。その田中も、宝刀スプリットを勝負球にもカウント球にも使う。後ろ姿を追い続ける辛島が、田中の投球スタイルを追い続けるのは自然の流れだ。メジャーで奮闘する兄貴分はパソコンで辛島の登板もチェックしてくれている。3月30日の西武戦(西武ドーム)で今季初勝利を挙げると、無料通信アプリ「LINE」で「見てたよ」と連絡があった。早く投手陣の軸となって安心させたい気持ちは誰より強い。

 防御率0・44はリーグ2位。前日10失点など不調が続いた投手陣に試合前ハッパをかけた星野監督も「(チームで)一番安定してるな」と称えた。安全策でファルケンボーグが投入され、今回は逃したプロ初完封も、そう遠くない日に達成しそうだ。

 ▼楽天・小関(6試合ぶりスタメンで好リード)ロッテが初球からどんどん来るのは分かっていたので、先頭を出さないよう気を付けた。チームの今季初完封ができて良かった。

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