ライアン三塁偽投ボーク適用1号も開幕3連勝

[ 2014年4月12日 05:30 ]

<D・ヤ>5回2死二塁荒波を三振に打ち取った小川

セ・リーグ ヤクルト6-5DeNA

(4月11日 横浜)
 ルールを忘れたわけではない。しかし、思わず三塁へ投げるまねをしてしまった。5回2死一、三塁。ヤクルトの小川は1球ファウルの後、何げなく三塁への偽投を入れた。間髪入れずに山路球審から「ボーク」のコール。あっけにとられる間にまさかの2点目を失った。

 「そうですね…。あそこは球種(のサイン)が出て“よしっ”と思えなかった。一回外そうと思ってやってしまった」。よもやのボークを、そう振り返った。

 今季からルール変更で禁止された三塁偽投。小川監督も「まさかあのボークをするとはね」と驚いた。1死から黒羽根の打球が右太腿を直撃した影響もあったのか。考えられないミスで失点したが、そこで崩れないのが小川の強さだった。打線の援護を受けて8回を3失点。自己ワーストタイの9安打を浴び、4回には今季初めて本塁打も浴びた。それでも必死に耐えてしのいだ。救援陣が崩壊したチームの連敗を4でストップ。まさにエースの仕事だった。

 「(右足は)少し痛かったが、絶対にマウンドは降りたくなかった。先発の責任は7、8回を投げきること。ランナーを背負ってから気持ちを整理して腕を振れた」。強い気持ちとともに、日ごろから体幹を鍛えた成果も表れた。片足立ちでメディシンボールを横へ投げるなど、バランスを保つための体幹強化。軸足の右足が痛んでも8回を投げ切れた。「よく粘ってくれた。コンスタントに安定した投球内容だと思う」。小川監督はそう言って称えた。

 3月28日のDeNAとの開幕戦(神宮)に勝ち、4日の阪神戦(同)もチームの連敗を3で止めた。チーム4勝のうち、3勝を一人でマーク。球団で開幕から先発での3戦3勝は71年の松岡弘以来、43年ぶりだ。「自分が投げるときは絶対に勝つつもりでいる」。それは紛れもなくエースの言葉だった。

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2014年4月12日のニュース