神様、仏様、マー様!3冠3ランでG倒 待望の貯金1

[ 2014年4月12日 05:30 ]

<神・巨>6回裏2死一、二塁、マートン(右)は先制3ランホームランを放ち、出迎える上本(手前)とハイタッチ

セ・リーグ 阪神5-1巨人

(4月11日 甲子園)
 神様、仏様、マー様や!阪神は11日、巨人戦でマット・マートン外野手(32)が0―0の6回に右翼ポール際に5号決勝3ラン。5回まで無安打に抑えられていたが、頼れる助っ人の一振りで快勝した。チームは3連勝で、今季初の貯金1。打率、本塁打、打点の3部門でリーグトップに立つマートンのバットは誰も止められない。

 息詰まる投手戦は、マートンの一振りで杉内を沈めた。0―0の6回2死一、二塁、左腕が投じた135キロの外角寄りの直球を、得意の右方向に打ち返した。甲子園の大歓声を切り裂き、ライナーの打球はそのまま右翼ポール際に突き刺さった。

 「風もあったし、ギリギリ越えるかもと思っていた。パピー(ゴメス)が四球を選んでくれて一塁が埋まり、自分を歩かせるわけにはいかない状況をみんながつくってくれた。それに応えることができてよかった」

 4月6日のヤクルト戦(神宮)以来となる決勝の5号3ラン。今季初めての甲子園での伝統の一戦で、最も頼れる男が試合を決め、チームは今季初めて貯金を1とした。この一発で本塁打数は巨人のロペスに並び、打率・479、25打点と合わせて打撃3部門トップ。打点はシーズン144試合に換算すると、驚異の276打点ペースだ。

 昨オフ、メジャー復帰も考えたが、最終的には愛着のある阪神残留を決断した。来日5年目。新たに取り入れた「練習」はカタカナだ。昨年まで筆記体で書いていたサインに、今年は新たに「マートン」とカタカナで書くようになった。筆記体に慣れている助っ人にはカタカナの直線が難関だった。「イッパイ、レンシュウ、シマシタ!」。今では色紙に「Ichiban Desu(一番です)」とローマ字で書くのもお手の物だ。

 今季の甲子園の試合から打席に入る際のテーマソングも初めて日本語の曲に替えた。札幌市を拠点とするクリスチャン4人で結成されたナイトdeライトの「stain」を知人を通じて入手。2カード目の京セラドームで自らCDを持ち込んで球団関係者に願い出た。日本語はファンにもなじみやすいからだ。

 全てはファン、チームメートと喜びを分かち合いたいから。お立ち台での日本語も見慣れた光景。この日も可能な限り日本語で答えた。

 「スギウチセンシュ、イイセンシュ。ラクニラクニ ガンバリマシタ!アシタモ ガンバリマショウ!」

 阪神在籍4年間で最多安打のタイトルを3度獲得しているが、今季は3冠王も決して夢ではない。チームを愛し、目標に突き進むマートンが猛虎を引っ張る。

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2014年4月12日のニュース