小林初猛打賞&2度刺した!同い年菅野とお立ち台に「まさか2人で」

[ 2014年4月11日 05:30 ]

<巨・広>試合終了直後、ホッとした表情で談笑する菅野(左)と小林

セ・リーグ 巨人4-2広島

(4月10日 東京D)
 ヤングパワーが躍動した。巨人のドラフト1位ルーキー、小林誠司捕手(24)が10日、広島戦に本拠地で初の先発マスクで出場。同じ89年生まれの菅野智之投手(24)とバッテリーを組み、4―2の勝利に貢献した。小林は猛打賞に加え、2度盗塁を刺すなど活躍。菅野も8回途中まで力投し、自身開幕3連勝を飾った。巨人は広島3連戦に勝ち越し、単独首位に立った。

 小林の目標だった。89年生まれの同い年、菅野とのお立ち台。小林は、照れ笑いを浮かべて口を開いた。

 「まさか2人でお立ち台に立てると思わなかったので、とてもうれしいですけど、皆さんに助けてもらいました。智之を引っ張るどころか、引っ張られてばかりでした」

 謙虚な言葉以上に試合の流れを呼び込んだ。初回2死一塁、3回2死一塁で、いずれも二塁盗塁を阻止。走者を出すと、菅野に「走者は任せとけ!」と声を掛けた。「肩ぐらいしか任せてもらえる部分はなかったので」と頭をかいたが、右腕を安心させた。

 強肩に自信を深める言葉があった。2月の沖縄キャンプで井端と食事に行った時の言葉だ。「(二塁へ送球の際には)プロ野球人生で初めて送球をしっかり構えるよ」。球界を代表する捕手である谷繁(中日)の送球を受けてきたプロ17年目の言葉は重たかった。

 打撃でも進化を遂げている。プロ初の猛打賞となる3安打。3回の左前打で先制のホームを踏み、4回の左前打に続き、6回には左中間二塁打した。通常より150グラム以上重い1100グラムのマスコットバットを自室にも持ち帰り、振り続け、プロのパワーとスピードに対応している。

 昨秋のドラフトで1位指名された後、菅野から「おめでとう。待っているよ」とメールをもらった。同大時代に大学日本代表で共にプレー。同じユニホームを着た瞬間から思い描いていた。「智之が完封して、決勝打を打って、“頑張っていたので打ちたかった”と言いたい」。究極の目標があるだけに、2失点に「打たれたのは変化球ばかり。変化球に頼ってしまった」と反省した。

 左ふくらはぎ打撲で離脱していた阿部の穴を実松と2人で埋め、単独首位に立った。

 「阿部さんにはまだ勝てないところばかり。でも微力ながら、チームの勝利に貢献したい」

 一つをクリアしても、次の課題が見える。小林は時間を無駄にしない。

 ≪猛打賞&複数盗塁阻止は巨人初≫ドラフト制以降、巨人の新人捕手が、同じ試合で猛打賞と複数の盗塁阻止を記録したのはこの日の小林が初めて。なお、01年阿部は猛打賞を3度、複数盗塁阻止を4度マークしたが、同一試合での両立はなかった。

 ▼巨人・原監督 見事ですよ、あの肩は。(菅野)智之とも呼吸が良かったし、何より打撃もいい。日々力をつけているし、打撃の形も理にかなっている。

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