マー君 ヤンキース新!デビュー2戦で18奪三振

[ 2014年4月11日 05:30 ]

<ヤンキース・オリオールズ>勝敗は付かなかったが、粘り強い投球で10奪三振を取る好投を見せた田中将大

ア・リーグ  ヤンキース4―5オリオールズ

(4月9日 ニューヨーク)
 ヤンキースの田中将大投手(25)が9日(日本時間10日)、ヤンキースタジアムでのオリオールズ戦に先発登板し、本拠地デビュー。2回に3点本塁打を許した後は粘り、10奪三振の力投を見せた。7回7安打3失点で勝敗は付かなかったが、ヤ軍所属投手の初登板から2試合で計18奪三振は球団新記録。今季で創設114年目を迎える名門球団の歴史を、田中がいとも簡単に塗り替えた。田中の次戦は15日(同16日)の本拠地でのカブス戦となる。

 まい夫人をはじめ3万9412人の大観衆が総立ちで手を叩き、10個目の三振をリクエストする。田中の101球目。7回2死無走者、カウントは2ストライク。外角低め、143キロのカットボールにヤングのバットはかすりもしなかった。この瞬間、デビュー戦から2試合で奪った三振は18を数えた。あのクレメンスもペティットも、ヤ軍の歴史で誰も成し得なかった快挙だ。

 「粘りは自分の一番の持ち味。何とか粘って投げることはできた。歓声は自分に向けてのものなので、悪い気はしないですよね。特に最後のイニングは力になりました」

 本拠地の真っさらなマウンドをピンストライプの背番号19が初めて踏んだ。4日のメジャー初登板では序盤の2回で3失点。この日も鍵は立ち上がり。だが、「投げミスが多かった」と振り返ったように、変化球が制御できない。初回2死二塁のピンチはしのいだが、2回2死一、三塁から昨春のWBCオランダ代表の9番スクープに高く抜けたスライダーを左翼ポール際に運ばれた。「走者をためての本塁打は悔やまれる」。レギュラーシーズンでは日米合わせて29連勝中だが、この間、3点のリードを許したことは一度もなかった。

 それでも田中には修正能力がある。「自分で投球フォームの微調整を図っていって、最後の方は形になっていったかなと」。前のめりがちだったフォームを、重心を低くするように修正、4回以降は2安打に抑えた。さらに4日のブルージェイズ戦で配球を変えて立ち直ったように、「その日使えないボールがあっても、他のボールでなんとかすればいい」とこれまでの経験値を生かした。スライダーの代わりに活路を見いだしたのは直球、ツーシームとカットボール。特にツーシームは「(打者の手元で)本当によく動いてくれた」と言う。カウントを整える作業さえできれば、絶対的な決め球、スプリットがある。3回まで8球投げたスライダーは、4回以降の4イニングでわずか3球。全ての球種での質の高さが、田中の高い奪三振率を支えている。

 初回にいきなり先頭打者マーカーキスの打球を右太腿付近に受けながらスタートした本拠地初登板。先発投手の評価基準となるクオリティースタート(6回以上を投げ自責点3以下)を2試合続けてクリアした。だが、満足することはない。「まだまだ慣れていかないといけない部分はある。いい投球を一年通してやりたい」。勝てなくても、負けはしない。田中の凄みはそこにある。

 ▼ヤンキース ジョー・ジラルディ監督 前回登板もそうだったが、回を重ねるごとに良くなった。一番内容が良かったのは最後の7回。

 ▼ヤンキース マキャン捕手(失投は本塁打の)あの1球だけだった。リポートにある通りで、後半になるほど良くなる。

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