大瀬良プロ初黒星 一発の怖さ知った「巨人打線は気が抜けない」

[ 2014年4月10日 09:05 ]

<巨・広>7回無死、橋本(左)に右越えソロ本塁打を打たれた大瀬良は肩を落とす

セ・リーグ 広島1-5巨人

(4月9日 東京D)
 広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)が2発に沈んだ。9日の巨人戦(東京ドーム)で7回104球を投げ、7安打3失点の粘投。打線の援護を欠く中、ロペスと橋本への被弾が響き、プロ初黒星を喫した。首位決戦はこれで1勝1敗となり、巨人と再び同率で並んだ。開幕4カード連続勝ち越しと単独首位浮上を懸け、10日の第3戦に挑む。

 普段のにこやかさは消えていた。先発2戦目で喫したプロ初黒星。帰りのバスへと向かう敵地の通路で、大瀬良は悔しさを言葉ににじませた。

 「全部ホームラン。打たれたくて打たれたわけじゃないけど、ボールが高いんでしょうね…」

 本人が認める通り、序盤から全体的に投球が高かった。初回の先頭・長野こそ、外角高めスライダーで空振り三振に斬ったものの、2回につかまる。先頭・村田に左前打を許し、続くロペスに左越え2ラン。いずれも外角高めに「抜けたスライダー」。それ以上に悔しがったのが7回だ。

 2打席無安打に抑えていた伏兵・橋本にソロを浴びたシーン。カウント1―1からのチェンジアップが真ん中に入り、右翼席へ運ばれた。「直球待ちだろうと思ったら、チェンジアップ。巨人打線は気が抜けない。スゴいなと思った」。痛恨の一発。素直に脱帽し、一方では強く自戒した。

 「最後の1本は余計。あそこをゼロに抑え、7回2失点なら、野手の皆さんの気持ちも違ったと思う。あの1点を無くしていかないといけない」

 悔恨2発。それでもドラフト1位の才能は随所に披露した。2点を失った2回、なおも2死二、三塁のピンチで、長野を力のある低め直球で二ゴロ。2ランを被弾したロペスには3回、内角高め直球でバットをへし折るなど、緩急を使って以降2打席を凡退させた。最速149キロを計測した直球もキラリと光った。

 「その(2ラン)後のロペスの打席はうまく組み立てられたし、要所では粘って投げられた。最低の最低限ですけど、ゲームはつくれた…と」

 本来の制球を欠きながら、狭い東京ドームで巨人の強力打線相手に7回3失点なら、先発としては合格点だ。野村監督は「ホームランを打たれたけど、その後も臆することなく投げていた。いいボールはあったし、気持ちも出ていた」と評価した。苦い経験は明日の血となり肉となる。黄金ルーキーの次回を待とう。

 ▼広島・山内投手コーチ(大瀬良について)前回と違って、きょうは抜け球が多かった。本塁打は2本とも高め。昨日の(野村)祐輔との違いは(ボールが)高いか、低いか。これも勉強。

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