ガッツ竜1号!40歳ベテラン代打で308日ぶり快音

[ 2014年4月10日 05:30 ]

<中・ヤ>8回、右越え1号2ランを放ち笑顔でナインとハイタッチの小笠原

セ・リーグ 中日9-3ヤクルト

(4月9日 ナゴヤD)
 すさまじい集中力だった。4点リードの8回2死一塁。中日・小笠原が代打で打席に入った。1ボール1ストライクからファウルは5度。6球目には右足に打球を当てたが、表情一つ変えない。2度のワンバウンドのフォークにも手を出さない。

 「粘っていく中でしっかり捉えることができた」。押本を根負けさせた。10球目、ど真ん中の直球をフルスイングすると、打球は右翼席中段へと消えた。ダメ押し2ラン。巨人時代でサヨナラ本塁打した昨年6月5日の日本ハム戦(東京ドーム)以来308日ぶり、移籍後初本塁打だ。ナゴヤドームは大歓声が起こり「声援に応えられて本当に良かった」と振り返った。チェンジなら出番はなかった。2死から谷繁が兼任監督就任後、初の複数安打を中前に運んだ。「僕の前で監督が出塁してチャンスをくれた」と無駄にはしなかった。

 巨人ではここ数年、出場機会に恵まれなかった。「もう一度自分を見つめ直したい」。最後の挑戦と位置付け、FA移籍した。登場曲も一新し、選んだのはスキマスイッチの「全力少年」。一番早く球場入りし、一番最後に引き揚げる。プロ18年目の40歳は新天地でルーキーのように、がむしゃらに練習している。

 ベテランとしての役割も分かっており、若手選手に積極的に声をかける。野手だけではなく、投手も気に掛け、開幕から勝っていない25歳の若きエース・大野に「ピンチほど、体が突っ込んでいるぞ」と助言を送った。

 開幕から代打生活を続け、8打数2安打。「毎試合、1打席の中で何とかしようという思いだけでやっている。一瞬を無駄にしないように。きょうに限ってはそれがうまくいった」。チームは今季初の3連勝。開幕から4カード目で初の勝ち越しともなった。頼もしいベテランが支えている。

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2014年4月10日のニュース