松井裕4回途中7Kも5四球…星野監督「あんな投手初めて見た」

[ 2014年4月10日 05:30 ]

<日・楽>4回、途中で降板する松井裕(中央)

パ・リーグ 楽天2-5日本ハム

(4月9日 札幌D)
 楽天・松井裕は一塁ベンチに座り、視線を宙にさまよわせた。4回途中、86球でのKO。プロ初勝利を手にするどころか、2敗目を喫した。

 「情けない。野手の方、後ろを投げていただくことになった投手の皆さんに申し訳ないです」

 1―0の4回、突如歯車が狂う。変化球でカウントを整えられなかった前回登板の反省を生かし、スライダーはうまく制球できていた。だが、反比例するように「生命線の直球でストライクを取れなくなり、マウンドで修正できなかった」と、先頭打者の西川から2者連続四球など3四球で1死満塁のピンチを招いた。大引に2点二塁打を浴び、続く大野に四球を与えた場面で交代を告げられた。

 松井裕にとって、札幌ドームは思い出の地だった。小学6年時に「横浜ベイスターズジュニア」の一員としてNPB12球団ジュニアトーナメントに出場。あれから7年…。3回までに6三振を奪い、快投の予感を漂わせてはいた。ただ、マウンドの硬さに対応できずに体勢を崩す場面も多く、佐藤投手コーチは抜け球が多くなった理由を「体重が後ろに残っていた」と指摘した。

 公式戦初登板となった2日のオリックス戦(コボスタ宮城)は初回に3盗塁を許すなどクイック投法に課題を残した。登板間は同じ左腕の金刃ら に助言を仰いでけん制のバリエーションを増やし、初回2死一塁で西川をけん制で刺した。ただ、キャンプから高く評価されてきたマウンドでの修正能力を発揮することはできなかった。

 星野監督も、将来のエースとして期待を寄せているからこそ酷評した。「ひどかった。あんな投手は初めて見た。あんだけ高いところに投げていたら嶋もリードのしようがない」。マウンドが合わなかったか?との問いにも「言い訳もクソもあるか」と突き放した。

 次回登板は再び中6日で16日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の予定。先発ローテーション投手として生き残るには、3度目は結果が必要。早くも正念場を迎えた。

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2014年4月10日のニュース