サイン盗まれても?黒田1勝 因縁オリオールズに好投

[ 2014年4月9日 05:30 ]

<ヤンキース・オリオールズ>6回1/3を2失点で今季初勝利を挙げた黒田

ア・リーグ ヤンキース4―2オリオールズ

(4月7日 ニューヨーク)
 ヤンキースの黒田博樹投手(39)が7日(日本時間8日)、オリオールズとの本拠地開幕戦で今季初勝利を挙げた。6回1/3を8安打2失点。昨年8月12日のエンゼルス戦以来、公式戦は10試合ぶりの白星となった。昨年9月9日にオ軍のサイン盗み疑惑をめぐって遺恨が生まれたが、この日も疑惑が再燃する中で見せた黒田の意地の投球。今季もその安定感はヤ軍の大きな武器となる。

 サイン盗み疑惑をめぐって昨年9月に両監督の言い争いに発展した遺恨の一戦で、再び疑惑が持ち上がった。6回まで1失点に抑えていた黒田が、7回に3連打を浴びて2点目を失った。「ボールが浮きだした」と説明したが、この間、捕手のマキャンは何度もサイン確認のためにマウンドへ。これについて、右腕は「最後の確認。それ以上のことはチームのことなので」と言葉を濁した。

 問題の場面は、先頭のデービスに左中間への二塁打を許した直後だった。二塁走者のデービスがリードを取りながら左右の手を不自然に動かす。すると、ヤ軍の専門放送局であるYESネットワークは、デービスの動きとサインを出す捕手マキャンの姿を2分割にし、疑わしき行為として放送した。その後、黒田はウィータース、クルーズに連打を浴びて失点し、1死後に降板した。

 「軸になる球がなかった」という中で7回途中まで試合をつくったのは、さすが。初回2死二塁では、昨季本塁打、打点の2冠王のデービスに対し、内角を見せてから外角ツーシームで引っ掛けさせて一ゴロに。「このチームは左打者がいい。特に(右翼が狭い)ヤンキースタジアムですし、反対方向に打たれるのは仕方ないという気持ちで投げた」と、根気強く低めにボールを集めた。

 昨年8月以来の白星に「あまり考えていなかった」と言いながらも、「何とかやりくりしながら投げてチームも勝てたのは大きかった」と喜んだ。アストロズと開幕カードを戦ったヒューストンで、黒田は田中を誘って日本食レストランへ出掛けた。メジャー7年目の右腕のひと言ひと言が田中には金言となる。デービスへの配球を含め、遺恨カードで見せた黒田の投球は、第3戦で先発する後輩へのメッセージになったに違いない。

続きを表示

2014年4月9日のニュース