天国から地獄…藤浪完封ペースから一転、満弾浴びて逆転許す

[ 2014年4月9日 05:30 ]

<神・D>7回表1死満塁、ブランコ(右)に逆転満塁ホームランを打たれ、ぼう然と打球を見送る藤浪

セ・リーグ 阪神5-6DeNA

(4月8日 甲子園)
 悪夢のような敗戦となった。DeNA戦(甲子園)に先発した阪神・藤浪晋太郎投手(19)は4点リードの7回2死から突如、乱調。4番・ブランコに逆転満塁本塁打を浴びるなど一挙5点を失い、7回6安打5失点。自身プロ最多の9三振を奪うも2敗目を喫した。今季の甲子園初戦。必勝を期して臨んだマウンドで白星を飾れず、「自分の弱さ」と言葉を絞り出した。

 マウンド上の藤浪が、ガックリとうなだれた。ブランコのバットにはじき返された大飛球は、虎党の悲鳴をさかのぼるようにグングンと伸び、バックスクリーン手前で跳ねた。3点リードの7回2死満塁から、痛恨の逆転満塁本塁打を被弾。今季初勝利は夢と消えた。

 「ツーアウトからだったので…。二塁打を打たれたことも、他の打者に打たれたことも、すべてが反省点です。(ブランコに打たれた球は)外の低めを狙ったつもりでしたが、甘く入ってしまった。(狙ったコースに)投げきれなかったのは、自分の弱さです」

 天国から、一気に地獄へ突き落とされた。4点リードで迎えた7回だ。2死無走者から金城の二塁打、石川の中前打で1点を失った。とはいえ、まだリードは3点。あせる必要はない。だが…。続く山崎の左前打、梶谷の四球で、あっという間に2死満塁と傷口は広がる。打席には、ここまで3打数無安打に封じていたブランコ。気をつけなければいけない、その初球。137キロカットボールは、無情にも真ん中に入った。プロ入り後初の満塁弾を被弾。「7回がすべてです」。甲子園でも、勝利の女神にソッポを向かれた。

 「(立ち上がりから)制球は定まりませんでしたが、それ(7回)までは悪いなりに投げられていました」

 6回までの好投が惜しまれる。制球が定まらなくとも、立ち上がりから目いっぱい腕を振った。最速154キロをマークした直球、切れ味鋭いカットボールを主体に、イニング数を上回る7三振、2安打無失点と相手打線を寄せ付けなかった。5、6回にそれぞれ2点ずつ打線の援護も受けた。6回終了時点で球数83球。完封も狙えるペースだった。それが、わずか1イニングで暗転した。

 この日は球数が100球に近づくにつれてボールが浮き始め、それを痛打された。前回登板の1日・中日戦(京セラドーム)も100球を超えてから登板した8回に4失点した。昨季10勝を挙げ、今季から一人前のローテーション投手としての期待を受けているとはいえ、まだ高卒2年目。やはり100球が交代のメドなのか。「そこ(100球)を乗り越えないと、完投できる投手にはなれない」と和田監督。「日本を代表する投手」を目指す藤浪にとって、試練の2敗目となった。

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2014年4月9日のニュース