マエケン中2日で8回零封 球団27年ぶり開幕3カード勝ち越し

[ 2014年4月7日 05:30 ]

<広・D>8回2死、二塁、石川の飛球をキャッチし雄叫びをあげ小さくガッツポーズの前田健(右は、田中) 

セ・リーグ 広島1-0DeNA

(4月6日 マツダ)
 今季初勝利を挙げ、上がった本拠地のお立ち台。広島・前田健は「最高です!」と叫んだ。そして、決勝打を放った菊池にプレゼントを贈った。

 「猿なので、バナナを持ってきました」。球場は大爆笑。皮をむこうとした菊池に注意した。「グラウンドの中での食べ物はダメ!」。菊池には「どっちやねん!」と突っ込まれた。関西人として気分は最高だった。

 2回に連打で無死一、三塁のピンチを招いたが、強気に攻めた。バルディリスを三ゴロ、多村を三ゴロ併殺打。いずれも140キロ後半のシュートで詰まらせた。3回以降は危なげない投球で8回5安打無失点、8奪三振。前日の逆転負けで止まりかけた勢いをエースが再び加速させ、チームを27年ぶりの開幕3カード連続勝ち越しに導いた。

 「1勝するまでは不安があるし、ホッとした」。3日のヤクルト戦(マツダ)で先発したが、1回を投げて降雨ノーゲームとなった。昨季は雨天中止が6試合あったが、3試合が前田健の登板試合。「今年も俺は雨男なのか…」と嘆いた。この日も試合前にアップを始めた瞬間、雨がパラパラと降り始めた。「きょうもやばい」。不安が募る中で時折、小雨が降る程度で投げられた。雨男は中2日だったため、9回はミコライオの救援を仰いだが、エースとして十分な内容。「1―0で勝つというのはしんどいけど、投手としてうれしい」とうなずいた。

 ヤンキース・田中がメジャー初登板初勝利を挙げ「ホッとした。勝って純粋にうれしかった」と喜んだ。ただ、こうも言った。「日本でやっていれば刺激になって競い合えるけど国が違うので比べるものも変わる」。自身も昨オフに将来的なメジャー挑戦を表明し、早ければ今オフに海を渡る可能性もある。永遠のライバルのメジャーでの投球は参考になるだろう。

 巨人が敗れ、6勝2敗で首位に並んだ。昨季球団初のCS進出を果たし、今季は開幕ダッシュに成功。エースも「チームとして変わってきているのは間違いない」と成長を実感する。だからこそ、スタンドを赤く染めたファンの前で「優勝しましょう!」と叫んだ。

 ▽87年の広島 前年86年に勝率3厘差で巨人に逆転V。連覇を狙う広島は開幕2戦目からの4連勝を含む4カード連続勝ち越しの好スタートを切った。前半戦は29カードで勝ち越し16度。41勝23敗1分けだったが、首位・巨人に4ゲーム差を付けられ、2位で折り返した。後半戦は投手陣の不調で失速。65勝55敗10分けで3位に終わった。打率.333の正田が巨人・篠塚と並ぶ首位打者。ランスが39本で本塁打王に輝いた。

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2014年4月7日のニュース