“サブちゃん”福山プロ初勝利「神様」同期マー看板に発奮

[ 2014年4月7日 05:30 ]

<楽・ソ>プロ初勝利を挙げ、ウイニングボールを手に笑顔の福山

パ・リーグ 楽天3-2ソフトバンク

(4月6日 コボスタ宮城)
 小雪が舞う中でのお立ち台。寒さは感じなかった。プロ4年目の初勝利。サービス精神旺盛な楽天・福山は、独特の言い回しでファンを沸かせた。

 「同級生で神様の田中くんが、あそこ(一塁側内野席上部に設置されている看板広告)で見てるので恥ずかしくない投球をしようと思いました」

 8回だった。同点とされ、なお無死一塁から登板。今宮の犠打で1死二塁となったが、内川を143キロ直球で投ゴロ、4番の李大浩も144キロ直球で二ゴロに仕留めた。9球中8球が直球。直後の攻撃で銀次が決勝打を放ち、白星を手にした。

 小柄ながら50メートル6秒0の身体能力を生かしたバネのある投球フォームが持ち味も、DeNAでは芽が出なかった。12年オフにフロントから野手転向を打診されたが固辞し、トライアウトを経て楽天に入団した。「投手としてのプライドを楽天が買ってくれた。恩返しのためなら何でもする」と話していた右腕は、昨季に22試合に登板してリーグ優勝に貢献。ポストシーズンを見据えてシーズン終盤には代走で起用もされた。

 「2、3球を投げれば肩がつくれる」というタフネス腕でもあり、今後もロングリリーフも可能な中継ぎとして待機する予定。星野監督も「いい投球。きょうぐらいは勝たせてやらなアカン」と目を細めた。

 「初勝利に興味はない。先発の思いを受け継いで、抑えにつなぐのが仕事」という福山は記念球も「島根の両親にジャンケンさせて勝った方に渡す」と笑う。仕事は地味だが、人前で物おじせずにおどけることができる歌手・北島三郎似のムードメーカー。たまにはスポットライトを浴びてもいい。

 ▼楽天・後藤(今季初めて遊撃で先発し、2回に左翼席に移籍後初となる1号ソロ)風に乗ってくれました。ショートも違和感なく守れた。

 ◆福山 博之

 生年月日、出身 1989年(平1)3月27日、島根県生まれ。
 球歴 10年ドラフト6位で横浜(現DeNA)入団。12年オフに戦力外となり、トライアウトを経て13年から楽天。
 サイズ 身長1メートル71、体重70。右投げ右打ち。
 ニックネーム 歌手の北島三郎似で主に「サブ」。「ゴリラ」、「猿」、「パンくん」とも呼ばれ、最近はヘルマンに顔が似ていることから「サブマン」。ユーキリスからは本気で「君はスペイン人か?」と質問された。
 ムードメーカー 沖縄・久米島キャンプの声出しでは、今季の目標を「先発なら10勝、中継ぎなら60試合以上に登板。できなければ台湾でダンサーデビューします!」と叫ぶ。
 趣味 ルアーフィッシング。
 座右の銘 日露戦争(1904~5年)の日本海海戦の直前に連合艦隊司令長官の東郷平八郎の参謀・秋山真之が大本営に打電した「天気晴朗ナレドモ波高シ」。

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