菅野で原監督800勝 一緒にお風呂入った伯父さんに贈った

[ 2014年4月5日 05:40 ]

<中・巨>800勝達成!菅野(左)にウイニングボールを渡されて笑顔の原監督

セ・リーグ 巨人2-0中日

(4月4日 ナゴヤD)
 巨人の菅野智之投手(24)が4日、中日戦に先発し、8回を4安打無失点と力投。チームも2―0と勝利し、開幕投手を務めた3月28日の阪神戦(東京ドーム)に次いで今季2勝目を挙げた。この日は130球の熱投で、伯父の原辰徳監督(55)に、監督通算800勝をプレゼント。巨人は4連勝で首位を守った。

 感謝の思いは、白球を通じて伝えたかった。試合後、勝利投手となった菅野は帰りのバスに乗り込むと、ウイニングボールを最前列の原監督に手渡した。この日の勝利は、原監督の監督通算800勝目。「全く意識していなかった」と語る指揮官は、粋な計らいに思わず相好を崩し、菅野も「監督の800勝に携われてうれしく思いますし、もっともっと勝利に貢献していきたい」と素直に喜びを表現した。

 重圧と使命感を背負った開幕投手から中6日。この日の調子は「普通だった」。それでも8回4安打無失点に抑えた。初回2死、1ボール2ストライクからルナに直球を2球続けて見逃し三振。4回1死の第2打席でも全8球中、6球が直球だった。

 この日はプロ最速に1キロに迫る151キロもマーク。序盤で相手打線に直球の印象を強烈に植え付けることで変化球が生き、コンビネーションで相手を牛耳ることができた。4回2死一、三塁では和田を「絶対に三振と思っていた」と2ストライクから直球を2球続け、最後は132キロの外角低めスライダーで空振り三振に斬った。8回、130球を投げても「走者を出しながらも粘ることができた。(直球を)前半のうちにしっかりと意識付けしたことで、後半の変化球も生きてきた」と腕を軽く回して強がった。

 幼少期の菅野は、伯父の原監督にお風呂に入れてもらうこともあるほど懐いていた。それが一変したのが小5で野球を始めたとき。「野球人・原辰徳」の偉大さを知ったからだった。それ以来「伯父さんとして見たことはない」と監督として背中を追った。1年浪人した末に、一昨年のドラフトで同じ巨人の一員になった。そしていま「監督と選手という立場が確立されている。一番やりやすいです」と言う。

 周囲の関心の目が高まるなかでも、つとめて冷静にしていたが、「試合前から(800勝は)知ってました」とこの日に懸ける思いは強かった。

 猛威をふるっていた強力打線は2点しか挙げられなかったが、菅野の熱投もあって4連勝。巨人の歴代監督では史上4人目の偉業を達成した原監督は「私の力なんて数%しかない。僕らは一日、一試合を戦っているだけ。もし周りの方が評価してくださるならありがたく思います」と真摯(しんし)に受け止めた。たとえ800分の1でも、何よりも替え難い「1勝」になった。

 ▼巨人・阿部 (菅野は)シュートが引っかかっていたし、そんなに調子は良くなかったが、途中から修正できていたし、粘り強く投げてくれた。

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