イチロー 全力疾走に米記者質問攻め「そういう姿が生きる」

[ 2014年4月5日 05:30 ]

<アストロズ・ヤンキース>3回1死、イチローは今季初打席で左前打を放つ

ア・リーグ ヤンキース4―2アストロズ

(4月3日 ヒューストン)
 天才打者のメジャー14年目のシーズンが「開幕」した。ヤンキース・イチロー外野手(40)は3日(日本時間4日)、アストロズ戦に「8番・右翼」で今季初出場。3回の今季初打席で初安打を放つなど、2安打2得点で今季初勝利の立役者となった。控えスタートの厳しい立場ながら、開幕から2連敗中だったチームを救い、存在感を見せつけた。

 試合後のクラブハウス。米メディアは真っ先にイチローを囲んだ。最も質問が及んだのは3―2の7回2死二塁での走塁。投本間への凡フライを相手守備陣がお見合いして安打になった時、もう本塁を駆け抜けていた。

 「(あのケースは途中から)ジョギングでも得点できる。ただ、そういう姿が(今後へ)生きる。そこへ向けて走っておくという意味合いだから」。常に全力疾走し、相手に隙を見せない。その重要性をチームメートにも再確認させたかった。

 初出場の心境を「(高ぶりはなく)割とノーマルだった」と表現した。一方で、現状も自覚。過去、4月は試合感覚をつかむ時期だったが「レギュラーの立場じゃない人にとっては、準備期間という捉え方はなかなか難しい。4月の段階でギアが入っている状態にしておかないと」と話した。そこで、確実に結果を出すアプローチを選んだ。

 3回の第1打席。左腕オーバーホルツァーから外角カーブを左前に運んだ際、ホームベース側のバッターボックスのラインから半足分離れた位置に立っていた。だが、7回の第3打席に右腕ピーコックと対した際には、さらに半足分、離れて立ち、内角直球を左中間二塁打。イチローは「投手によりけりですね。投手によって替えています」と語った。昨季は速球派右腕による内角攻めに苦しめられ、対左腕の打率・321に対し、対右腕は・235。対策をしっかり講じていた。

 ジョー・ジラルディ監督は「大きな仕事だった。キャンプからいい調整を続けているね」と称えた。エルズベリー、ベルトランらの加入により、開幕直前まで放出の噂が絶えなかった。だが、ふたを開ければ初勝利の立役者となったのは「第5の外野手」イチローだ。

 3試合目の今季初安打にも「想像の範ちゅうだね」と言った。田中が初登板する4日(日本時間5日)ブルージェイズ戦の相手先発はマゴワン。過去32打数17安打(打率・531)とカモにしており、スタメンの可能性は十分ある。ヤ軍加入後の初戦、12年7月23日のマリナーズ戦と同じ「ライパチ(8番・右翼)」から定位置奪回へ踏み出した。

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