桐生第一再試合制した 山田連続完投で史上初の完封

[ 2014年3月31日 05:30 ]

<桐生第一・広島新庄>4回表(広)2死一・三塁、山田は奥田慎(右)を二塁ゴロにしとめ石井(中央)とともに笑顔でベンチに引き揚げる

第86回選抜高校野球大会第9日 桐生第一4―0新庄

(3月30日 甲子園)
 前日に延長15回引き分け再試合となった2回戦1試合が行われ、桐生第一(群馬)が新庄(広島)を4―0で下し、91年以来23年ぶりの8強入りを決めた。2日連続で先発した山田知輝投手(2年)は散発3安打で完封。センバツでは08年以来6年ぶり5度目となった再試合で、連続完投しての完封勝利は史上初めてとなった。この日で8強が出そろい、31日に準々決勝4試合が行われる。

 最後のボールが一番速かった。4―0の9回2死。山田は112球目を外角低めに投げ込んだ。130キロ直球で空振り三振。2日間で計24イニング、275球を投げ抜き、しかも2試合目で完封した。タフネスぶりを発揮した2年生エースは「1イニングずつ投げた結果。楽しかった。とりあえず寝たいです」と笑みをこぼした。

 延長15回、163球を投げ抜いた前夜は疲労回復に努めた。宿舎にある酸素カプセルに40分入り、トレーナーから肩、肘のマッサージも受けた。そして、午後10時には床に就き、8時間近く寝た。迎えた引き分け再試合。この日唯一の試合は午後3時2分から始まった。日曜日ながら観衆は6000人と少なかったが、山田は再び新庄のエース山岡とまっさらなマウンドで投げ合った。

 連投の影響はあった。最速135キロの直球は大半が120キロ台から110キロ台。「スピードが出ないなと思った」と言う。活路を見いだしたのはコーナーを突く制球。「際どいところに投げれば打ち取れる」と信じて腕を振った。手元で微妙に沈むスプリットも打者を惑わせた。「スプリットの方がむしろ(直球より)速かった」と苦笑いしたが、バットの芯を外すのには効果的だった。継投が念頭にあった福田治男監督は「意外とすいすいといったから途中から代える気はなくなった」と安心して見守った。

 自転車通学でスタミナをつけた。自宅は栃木県足利市。学校は県をまたぎ、群馬県桐生市にある。約20キロ。その道のりを1時間以上かけて通う。練習後も自転車で帰宅。幼なじみで一緒に自転車通学している二塁手の石井は帰宅後もキャッチボールに付き合わされるそうで「あいつは本当にタフです」と脱帽する。

 きょう31日の準々決勝では強打を誇る龍谷大平安(京都)と対戦する。福田監督は山田の先発について「体をケアした上で考える」と慎重だった。2年生エースに3日連投の経験がないからだ。それでも山田は「もちろん投げたい」と言い切った。

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