巨人痛恨…ベンチからの「タッチプレー!」の声かき消された

[ 2014年3月30日 08:17 ]

<巨・神>9回無死満塁から西岡は一塁ゴロ。これをロペスがベースを踏み本塁へ送球。阿部は本塁直前に迫っていた三塁走者にタッチせずベースを踏んだだけで無意味な一塁へ送球
Photo By スポニチ

セ・リーグ 巨人3-5阪神

(3月29日 東京D)
 勝負を分けたのは守備のミスだった。巨人は29日の阪神戦で、3―3で迎えた9回無死満塁のピンチで、阿部慎之助捕手(35)が瞬時の判断を誤ったプレーで勝ち越し点を許した。「不幸」な要因も重なって引き起こされたが、結果としてチーム全体の「ボーンヘッド」となってしまった。

 試合後。原監督が「起こしてはいけないプレー。ジャイアンツは二度とああいうプレーは起こしません」と厳しい口調で振り返った場面は、同点の9回無死満塁で起きた。阪神・西岡の打球は一塁線へのゴロ。一塁手のロペスは捕球すると同時に反時計回りで回転し、一塁ベースを踏んで本塁へ転送。この時点で三塁走者をアウトにするにはタッチが必要だったが、捕手の阿部は捕球するとすぐに一塁へ返球。その間に三塁走者の上本が生還し、勝ち越しを許してしまった。

 阿部「(走者とかぶり)一塁ベースも見えてなかった。(ロペスがベースを)踏んだことも確認できなかった。一塁転送しか考えていなかった。申し訳ない」

 上本「僕はロペスがベースを踏んで、送球してくるのが見えた。イージープレーで(本塁)アウトになるよりは、三本間に挟まれて時間を稼ごうかと思っていた」

 阿部としては、自身が本塁を踏んで三塁走者を封殺し、その後に一塁へ投げ返して打者走者をアウトにして併殺を完成するつもりだった。フォースプレーと勘違いした要因は幾重にもある。西岡がフェアグラウンド寄りを走っていたことで、ロペスの動きを阿部が把握できなかったこと、ロペスは本塁送球後に三塁走者を指さす形でタッチプレーを指示したが、送球自体が低く、阿部の視線が下に落ちたこと。さらに大観衆で声は通らない。ベンチからの「タッチプレー!」の声もかき消された。

続きを表示

この記事のフォト

2014年3月30日のニュース