マートン 天敵マシソン討ち弾 8タコから今季につながる一発

[ 2014年3月30日 08:00 ]

<巨・神>8回1死、マートンは左越えに同点本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神5-3巨人

(3月29日 東京D)
 阪神・マートンが値千金の同点ソロを左翼スタンド上段に放り込んだ。1点を追う8回1死だ。直前まで沈んでいた黄色いスタンドが、打球を吸い込むと、一気に沸いた。

 「打った瞬間にいい感じでした。去年、マシソンにやられていたので…。自分の形でいいバッティングをしようと心がけていました」

 マウンドには、昨季に苦しめられたマシソンがいた。追いつ追われつの展開の中、7回に2―3と勝ち越された矢先の8回1死。初球を空振りした直後の2球目、やや内寄りの高め146キロ直球を豪快に振り抜いた。チームの今季1号本塁打が呼んだ、9回の勝ち越し劇。1勝目へと導いた一振りに満足げだった。

 「初球は力が入って大きく振りすぎたけど、ホームランは素直に反応した。でも自分のホームランよりもチームみんなでやって、勝てたことが嬉しい」

 何よりマシソンを打ったことに価値があった。マートン自身も昨季5打数無安打、チームとしても打率・122に封じ込められていた難敵だ。和田監督は「あれが大きかったね。点を取られてすぐ。ピッチャーのつなぎもよくなった」と流れを変えた一撃を振り返りながら、「昨年できなかったことが、できつつある。7から9回に必ず出てくるピッチャーだから。一発目にこういう攻撃ができたのは今後につながる」。巨人の勝利の方程式を担う長身右腕を攻略したことは、先の長い戦いへの自信になる。

 昨季は2年ぶりに最多安打のタイトルを獲得し、復活を遂げた。「自分は大事な場面で打席に立つのが一番、楽しい。前のバッターが塁にたくさん出てくれているから、楽しくプレーできています」。1―1の3回1死二、三塁でも左前適時打を放ち、2試合連続打点。4番・ゴメスとのコンビも上々。来日5年目は最強の5番打者として、仕事を全うし続ける。

 ≪苦手マシソン討ち≫阪神は過去2年間16試合で65打数11安打、1本塁打、4打点の打率・169と抑えられていたマシソンから、打者10人でマートンのソロを含む8打数4安打。1試合では最多の3打点を奪った。この日安打したマートン、福留、今成、ゴメスはいずれも対マシソン初安打(福留、ゴメスは初対戦)。特にマートンはこれまでの8打数無安打から反攻の1発となった。

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2014年3月30日のニュース