菅野 球団54年ぶり入団2年目の開幕白星 江川&上原超え 

[ 2014年3月29日 05:30 ]

<巨・神>5回2死一、二塁、3ランを放った片岡(右)を迎える菅野

セ・リーグ 巨人12-4阪神

(3月28日 東京D)
 開幕投手の意地だった。同点に追いついてもらった直後の5回2死二塁。巨人の菅野は前の打席で2点二塁打を許したゴメスの内角を突いた。146キロの直球で遊ゴロ。ポンと右手でグラブを叩いた。

 「絶対に0で抑えないといけないと思っていた。2、3戦目と続くし、初戦の投手としても内角を意識させたかった」

 初回に150キロを2度計時するなど、2回までわずか21球。「飛ばしすぎた」と反動で3回に味方の失策から4点を失ったが、その後は簡単に崩れることはなかった。

 「ジンクス」という言葉も飛び交う2年目を前に、胸に刻んだ言葉があった。1月9日。原監督とともに母校・東海大で対談を行った際に、「あごを上げて、目線を高くしていないか?」と指揮官から声をかけられた。1年目でチーム最多タイの13勝。周囲の注目も増し、チームでの立場も変わった。原監督が伝えたかったのは、謙虚でいることの大切さ。右腕は「そんなふうにしているつもりはなかったけど、あらためて、意識して過ごそうと思った」と年始に気を引き締め直した。

 7回8安打4失点も、球団では60年の伊藤芳明以来、54年ぶりの2年目での開幕戦勝利。巨人の2年目としては、80年の江川卓も、00年の上原浩治(現レッドソックス)も果たせなかった白星を手にした。指揮官も「この緊張感の中、貴重な時間を体験したと思う。次につなげないといけない。内容はともかく7回まで投げられたことは良かった」と評価。それでも菅野は言った。「いまのところ(満足感は)ない。今回の投球では開幕投手に選んでくれたスタッフの方やファンの方も納得してくれないと思う」。重責を果たしても、菅野に慢心はない。

続きを表示

この記事のフォト

2014年3月29日のニュース