田中 開幕三塁獲る!新人野手スタメンなら広島3人目

[ 2014年3月27日 09:35 ]

開幕1軍をつかんだ田中

 開幕中日戦(28日、ナゴヤドーム)のベンチ入りが可能な出場選手登録名簿が26日に公示され、広島はドラフト3位・田中広輔内野手(24)らルーキー3人が開幕1軍を果たした。オープン戦で3割超の打率を残した田中は、06年の梵以来、8年ぶり3人目となる新人野手の開幕戦スタメンの可能性が濃厚。今春手に入れた“新兵器”で、川上憲伸撃ちに闘志を燃やしている。

 開幕1軍入りを決めた田中は「最初の目標は達成できた。ホッとしています」と話し、白い歯をのぞかせた。社会人No.1の前評判通り、本職の遊撃だけでなく二塁、三塁も堅実にこなす内野手。それだけじゃない。打撃でも即戦力ぶりを発揮した。

 「打つ方はもう少し苦労するかと思ったけど、想像した以上にうまくいった。でも、シーズンに入ったら、どうなるかわからないので」

 24歳は謙虚に今春を振り返る。オープン戦は10試合に出場し、打率・333、1本塁打、4打点。ツボにはまると一発長打のパンチ力を持ち、状況に応じた細かい打撃もできる。そうした幅広い対応力が首脳陣に評価され、当面の目標だった開幕1軍を射止めた。

 新兵器も手に入れた。JR東日本時代から使うバット(900~910グラム)のグリップを1ミリ太く改良。初めて使った6日の社会人オール広島戦(マツダ)、8日のヤクルト戦(福山)でアーチを掛け、「感触がいい」と手応えを感じ取る。プロでの台頭を支えるだろう心強いアイテムだ。

 28日の中日開幕投手は川上。野村監督は好調だった堂林がオープン戦終盤に失速したことで、田中の開幕サードを選択肢に加えた。この日は「あす(27日)の打撃練習を見て決める」と明言しなかったが、かねて「状態のいい選手を使う」と語っており、田中が先発する可能性は大きい。

 ドラフト制以降、広島の新人野手で開幕戦にスタメン出場したのは、69年の山本浩司(現浩二=6番・中堅)、06年の梵英心(6番・二塁)の2人。8年ぶり3人目に向け、24歳は意欲満々だ。

 「判断するのは監督さんですが、できればアタマから出たい。虎視眈々(たんたん)と、いつでも行ける準備をしておきたい」。川上については「大きくて緩いカーブを見過ぎないようにしたい。ベテランなので、何も考えずにいきたい」と、無欲無心でぶつかる決意を示した。

 指揮官が言う通り、直前の練習で開幕オーダーが決まるなら、新兵器で快音を響かせるのみ。新戦力の躍動が楽しみだ。

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2014年3月27日のニュース