西岡 広角マルチも興味なし「シーズンで張り切りますよ」

[ 2014年3月24日 07:36 ]

<オ・神>6回無死、西岡は左翼線二塁打を放ち激走する

オープン戦 阪神1―3オリックス

(3月23日 京セラD)
 復帰即、広角にマルチ安打を放った。阪神・西岡が18日に発症した「首痛」からの復帰戦に「3番・二塁」で先発出場し、3打数2安打と躍動した。チャンスメークあり進塁打ありと大暴れ。オープン戦を不振で終えた猛虎にとっての光明だった。

 「グシャ」という鈍い音が響く。負けずに左手でもうひと押し込みした打球は、右前でポトリと弾んだ。初回2死無走者。ディクソンの141キロ内角直球にうまく反応し、自らの復帰第1打席を「H」で飾った。6回先頭で迎えた第3打席はスライダーを左翼線へ運び、二塁打を記録した。16日の西武戦以来となる実戦、そして2安打。ただ、一切の興味を示さないところが西岡らしい。

 「(安打は)関係ない。開幕に合わせるだけ。ケガをしても、開幕に合わせると首脳陣に言ってきた。ルーキーじゃない。日本の野球の開幕は何回も経験しているし、自分の体で分かっている」

 すべては「3・28」に最高のパフォーマンスを披露するため。オープン戦で結果が出なくても一喜一憂することなく、自らの課題克服と状態向上に尽くしてきた。任される打順が昨季主に務めた1番から変わっても、西岡自身は何も変わらない。むしろ、チームへの「思いやり」が一層強くなっているように感じる。

 「無死で走者がいて、4、5番につないで1点を取りにいく。進塁打は、チームとして(得点する)確率が高いので」

 自賛したのは2本の安打ではなく、平凡な二ゴロの方だ。3回無死二塁。3球で追い込まれながら、フルカウントまで粘り、外角寄りのスライダーを引っ張り込んで大和を三塁に進めた。「安打は進塁打の延長線上」。自分が死んでも、仲間が生きればいい―。芽生えた犠牲心が、虎を勝利へ導いていくはずだ。

 「(開幕まで)抑えて抑えてやっていく。練習日の過ごし方も大事になる。張り切りすぎないようにやる。シーズンで張り切りますよ」

 独特の表現とともに、試運転を完了させた。新たな立ち位置で迎える虎2年目。西岡から不安要素は完全に消え去った。

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