アジャ井上 つかんだ開幕4番 新人初OP戦首位打者

[ 2014年3月24日 05:30 ]

<ヤ・ロ>2回、先頭の井上が左越え本塁打を放ちホームイン

オープン戦 ロッテ5―1ヤクルト

(3月23日 神宮)
 「幕張のアジャ」が快挙を達成した。ロッテのドラフト5位・井上晴哉内野手(24)が、23日のオープン戦最終戦となるヤクルト戦で本塁打を含む3安打の固め打ち。打率を・435とし、新人では65年のドラフト制以降初のオープン戦首位打者に輝いた。伊東勤監督(51)は28日のソフトバンクとの開幕戦(ヤフオクドーム)で、球団では1950年の戸倉勝城以来64年ぶり2人目となる新人の開幕4番を明言した。

 もはやその実力を疑う余地はない。試合後。クラブハウスに引き揚げる井上に、ファンから「アジャ頼むぞ!」の声が飛ぶ。笑顔でうなずくその姿は、主力打者としての自覚にあふれていた。

 「とにかくチームの勝利だけを考えていた。オープン戦首位打者?全然何も思わないです」。サラリと言い放つところも並のルーキーではなかった。

 まずは2回。内角高めの134キロ直球を、軽々と左翼席中段へと叩き込んだ。「自分でも完璧な当たりだったかなと思う」と自画自賛した2試合連続アーチは、前日の最終打席から2打席連続の本塁打でもあった。4回に左前打、9回にも遊撃内野安打で3安打。試合前の時点で4厘差あったソフトバンク・本多を抜き、新人では初のオープン戦首位打者に輝いた。

 ドラフト5位入団。甲子園出場経験もなく、評価が高かったわけではない。キャンプ前までは日本人最重量となる114キロの体重や、「1年目から本塁打王を目指す」といったビッグマウスが注目された。しかし実戦に入ってから評価が一変した。長打力だけでなく、巧みなバットさばきで逆方向へ安打を量産。伊東監督に試合後、「使いましょう。4番で」と言わせるまでになった。

 日本生命でチームメートだった巨人のドラフト1位・小林からも刺激を受けた。「新聞でいつも小林の記事をチェックしている」。イケメンのエリートに負けじと、自分の打撃に徹した結果、小林以上の成績を残し「キャラが先行しがちだったけど、やっと野球で目立てるようになってきた」と笑った。

 「楽しみです。エースから打ちたい」。28日の開幕戦の相手はソフトバンク。井上は「マリンガン打線」の4番として福岡に乗り込み、開幕投手の摂津と対峙(たいじ)する。

 ≪65年ドラフト制以降≫ルーキーの井上(ロ)が打率.435でオープン戦首位打者。65年以降のオープン戦で新人の首位打者は井上が初めてだ。同期間でオープン戦、公式戦とも首位打者は82年長崎(大洋)、95、98、00年イチロー(オ)、07年青木(ヤ)と3人で5度。また、新人の公式戦打撃3冠タイトルは58年長嶋(巨)が本塁打王と打点王、59年桑田(大洋)が本塁打王を手にした例があるだけ。新人首位打者は過去にいないが井上はどうか。

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