都小山台 異例の調整 バッティングセンターから初勝利を「攻める気持ちで」

[ 2014年3月21日 07:50 ]

バッティングセンターで打撃練習する都小山台ナイン

 第86回選抜高校野球大会は21日に甲子園で開幕する。初日の第3試合で履正社(大阪)と対戦する21世紀枠の都小山台(東京)は20日、雨のため急きょ西宮市内のバッティングセンターで練習。試合前日としては異例の調整となったが、甲子園都立勢初白星を目指すナインは快音を響かせた。この日は開会式リハーサルが行われたが、グラウンドが使えず、バックネット裏で主将が行進するなど簡略化された。

 カキーン!カキーン!10台のマシンがズラリと並ぶ西宮市内の「ビーコンパークスタジアム」に都小山台ナインの打球音が響き渡った。20球6セットで1人120球。球速は110キロと100キロに設定した。エースの伊藤主将は「テスト期間中に気分転換でバッティングセンターに行ったりするので、違和感はなかった」と笑顔を見せた。

 都立勢としてセンバツ初出場。その前日練習の場所はバッティングセンターで行われた。当初、午後から予定していたのは尼崎市内のグラウンド。しかし、朝から降り続いた雨で使用できなくなった。伊藤主将らが開会式リハーサルに臨んだ午前9時の時点で練習場所は確保できず。福嶋正信監督は「まだ場所が決まってない。スタッフがいろいろ電話をかけているんだけど…」と悩ましげに語っていた。

 出場校の公式練習会場は大会本部が割り当てるが、雨天時は自力で確保しなければならない。ビーコンパークスタジアムは、DeNAの中村がかつて、楽天を退団した10年12月から約5カ月の浪人期間中に黙々と打ち込んだ場所としても有名。甲子園出場校も雨天時に使用するが、常連校とは違い、初出場の都小山台にとっては、会場探しもひと苦労だった。結局、正午前に貸し切りで使用できることが決まった。

 利用料金は1時間2万円。約2時間の練習を終えた指揮官は「せっかく甲子園に出るんだから攻める気持ちでいきたい。(試合前の)じゃんけんに勝ったら、もちろん先攻でね」と、雨によるハンデを吹き飛ばすようなナインのフルスイングを頼もしそうに見つめた。

 ▽ビーコンパークスタジアム 兵庫県西宮市にある日本最大級の総合野球練習場。面積約600坪(約1980平方メートル)のドーム内には、硬球を打つことができるバッティングセンターのほか、ブルペンも併設。敷地内には両翼92メートル、中堅115メートルのグラウンドがあり、ナイター設備も完備されている。マシンの設定スピードは最速130キロ。

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