マエケン 凄み戻った5回1失点!習得中スプリット封印「修正できた」

[ 2014年3月16日 05:30 ]

<ロ・広>5回を投げ終えキラ(左)と笑顔でベンチへ戻る広島・前田健

オープン戦 広島3―1ロッテ

(3月15日 QVCマリン)
 本気を出せば、こんなものだ。5回5安打1失点。実戦で初めて好結果を残し、オープン戦初勝利も手にした広島・前田健は笑って振り返った。

 「今までは点を取られてばかり。6点取られたら気持ちよくはない。投球に制限をなくし、久しぶりに抑えることができてホッとしています」

 キャンプから前回登板までは、スプリットを習得するため、最大の武器であるスライダーを極端に減らした。その結果、3日紅白戦で2回4失点。オープン戦初登板の9日ヤクルト戦(マツダ)でも3回6失点と打ち込まれた。精度の低いスプリットを痛打され、直球もシュート回転して制球を乱したためだった。

 この日は新球を一時的に封印し、シーズンと変わらぬ本来の配球だった。「スライダーの感覚を戻したかった」と得意球を多投。5回はクルーズをスライダー、金沢をチェンジアップでいずれも空振り三振に仕留めた。「まだ100%じゃないけど最後は狙って三振が取れたし、いい形で終わることができた」。課題の直球も「体の開きを抑える」ことで改善された。65球中半分近くの31球を投じ、最速147キロを計測。無四球だった。

 「やっぱり直球あっての変化球だし、直球あってのスライダー。しっかり修正できていたと思う」。野村監督は復調したエースに目を細めた。2年ぶり4度目の開幕投手に向け、ひとまず結果を出した。ただ懸案も残る。スプリットの習得だ。

 「まだ覚えている状態。自分の状態を見ながら」と前田健。昨オフに将来的なメジャー挑戦を表明し、早ければ今オフに海を渡る可能性もある。投球の幅を広げるため、スプリットは完全マスターしたい球種である。21日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)がシーズン前最後の登板。エースは「次はラスト。しっかり調整して開幕を迎えたい」と大役を見据えた。

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