菅野 開幕投手当確秒読み OP戦防御率1点台、あとは内海次第

[ 2014年3月16日 05:30 ]

<ソ・巨>3回1死、左越え本塁打を放った村田(左)を笑顔で出迎える菅野

オープン戦 巨人2―4ソフトバンク

(3月15日 ヤフオクD)
 開幕投手は俺だ!巨人の菅野智之投手(24)が15日、ソフトバンク戦で先発。最速149キロの直球で押し、6回を5安打1失点、7奪三振と好投した。試合後、原辰徳監督(55)は明言しなかったが、オープン戦4試合で防御率1・13と安定感抜群の菅野が28日の阪神との開幕戦(東京ドーム)のマウンドに立つのは決定的。00年の上原浩治(現レッドソックス)以来となる入団2年目で大役を務める。

 菅野の自信が確信に変わった。4回2死、打席には練習中から「(バットが)振れていた」と対戦を心待ちにしていた柳田。目下、オープン戦トップタイの3本塁打を放っている25歳の若き長距離砲に対し、2ボールとなった。打者有利のカウント。相手も当然直球狙いの場面で、146キロ、147キロと内角直球を2球続け、ファウルを打たせた。最後はフォークで空振り三振に斬った。

 「去年は力勝負でいって打たれた。今年は、去年とは違うところを見せることができた」

 昨年6月15日のソフトバンクとの交流戦(ヤフオクドーム)。菅野は9回2死二塁から柳田に中前適時打を許し、プロ初完封をあと1死で逃した。その時、打たれた球種が直球。この日は同じ直球でも球威で押し込み、前に飛ばさなかった。

 2回1死の第1打席でも直球を3球続けた。2球目はこの試合最速の149キロを計測した。「どこまで力勝負できるのか」と2打席で9球中5球が直球だった。柳田が「伸びが良かった。ちょっと手を抜いてほしい」と冗談めかすほどだった。

 昨オフから直球をテーマに取り組んできた。「簡単なことではない」と理解しながらの挑戦。よりリリース時の指先に力を集中させることで、効率よく球にも力を加える。そのために力みのないゆったりとした投球フォームを追い求めた。2日のヤクルトとのオープン戦(東京ドーム)では直球主体で3回1安打無失点。自信を得ていた。

 直球で押せれば変化球も生きる。フォークは、カウント球、真っすぐ真下に落ちる球、カットボールのように右打者の外角低めに逃げる球と3種類。「打者を見ながら」人さし指と中指の力加減を微妙に変えることで投げ分けた。直球に変化球まで自在に操り「投球の中で緩急をつけられた」とさらに凄みが増した。

 試合後、開幕投手について、原監督は「(まだ)決めていない」と話すにとどめた。開幕投手を争っている内海が16日のソフトバンク戦(大分)に先発することに配慮したとみられる。オープン戦の防御率は4試合で1・13。菅野は、周囲も認める結果を残した。あとは指揮官の通達を待つだけ。そのときは近づいている。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(菅野について)最後の回(6回)が一番良かった。途中で球数を抑えるように話をした。言えばやれる子だから心配していない。

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