松坂 差別発言騒動封じた 大人の対応&好投で先発5番手ほぼ手中に

[ 2014年3月15日 05:30 ]

<ナショナルズ・メッツ>2回、ムーアを三飛に打ち取る松坂

オープン戦 メッツ7―5ナショナルズ

(3月13日 ビエラ)
 メッツの招待選手、松坂大輔投手(33)が13日(日本時間14日)、ナショナルズとのオープン戦に先発し、3回2/3を3安打1失点で4奪三振と好投。ダン・ワーセン投手コーチ(61)が松坂の通訳を務める日系米国人に対して人種差別的な発言をしたとして謝罪する騒動に巻き込まれたが、試合に集中。先発5番手の座をほぼ手中に収め、4月5日(同6日)のレッズ戦で今季初登板することが濃厚となった。

 次戦の課題を聞かれた松坂は「えー、寝違いを治すことです」と笑った。数日前に首を寝違え「振りかぶるとしんどかった」と3回からはセットポジションで投球した。失点は初回に1死三塁から内野ゴロの間に許した1点だけ。予定の60球を超えた4回2死で降板したが、冗談が出るほど表情は明るかった。

 マイナー契約から開幕メジャーを目指す松坂だが、この日は投球以外でも注目を集めた。米紙が、ワーセン投手コーチが松坂の通訳を務める日系米国人のジェフ・カトラー氏(30)に対し、差別的意味合いがある「チャイナマン」と呼んだと報道。これにスポーツ専門局ESPNなどが反応し、前日に同コーチが謝罪する騒動となった。メッツでは03年にも当時のビル・シンガーGM補佐が、他球団の中国系米国人の女性幹部への差別的発言で、辞任に追い込まれたこともあった。

 試合後、松坂は米メディアに囲まれた。「きょうはコーチとは野球のことしか話していない」とし、発言の影響については「誰もが誤りをする。すでに謝罪の声明を出している。彼との関係は今後も何ら変わることはない」と大人の対応で、沈静化に努めた。

 周囲の雑音にも動じずに好投した松坂について、テリー・コリンズ監督は「持っている実力を発揮している。どんどん調子を上げていってもらいたい」と称賛した。5番手を争っていたラナンは中継ぎに回ることが決定し、開幕第5戦となる4月5日(日本時間6日)のレッズ戦に先発することが濃厚。「順調に来ていると思います」という松坂の言葉には自信がうかがえた。

 ▽ワーセン投手コーチの人種差別発言 ワーセン投手コーチが9日に松坂の通訳を務める日系米国人のカトラー氏に対して「チャイナマン」と呼んだとして、全国紙ウォールストリート・ジャーナルがこの発言を問題視して報道。その場にいた同紙の記者は中国系米国人で「19世紀に移住してきた中国人に対し、白人が差別的な意味で使う言葉で、これを最後に聞いたのはいつか思い出せないぐらいだ」と批判した。同コーチは12日に公式サイト上で「不適切だった」との謝罪声明を出し、サンディ・アルダーソンGMも「遺憾」とコメントした。

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