マー君 ナニコレ?珍ブルペン 自身の左前方に通訳立たせ“壁”意識

[ 2014年3月10日 05:39 ]

ブルペンでの投球練習で自身の左前方に堀江通訳(右)を立たせた状態で投球する田中

 壁に耳あり、その「壁」には本当に耳があった。ヤンキースの田中将大投手(25)が8日(日本時間9日)、ブルペン入りし、自身の左前方にチームスタッフを立たせ、「壁」を想定して投球を行う極めてユニークな練習法を披露した。大リーグ初先発となった6日(同7日)のフィリーズ戦で、投球フォームが崩れていたとの自覚からの工夫で、体の開きを抑えて無駄のない体重移動を取り戻すことが主目的。昨季24勝0敗の「無敗フォーム」を取り戻す。

 コーチ、ナインとも一様に「?」という表情を浮かべていた。大リーグのブルペンではお目にかかれない珍風景。マウンドに立った田中が、自身の左前方に堀江慎吾通訳を立たせる。至近距離で背中合わせのような状態。普通なら、投げにくくて仕方ないはずだ。

 「投球練習は自分の工夫次第でしょうね。(メジャーの練習では)球数が制限されているだけですからね。これは日本でもやっていた練習。(フォームの)確認ですよね。無駄なく捕手の方向に体重移動できるように」

 事もなげに説明した田中。同通訳が立った位置は、田中が左足を本塁方向へ踏み出す、つまりステップする際にちょうど、真横で隣り合わせになる位置だった。

 楽天時代から取り入れていた、フォームチェックの一つの方法だった。投球時に体の左側に「障害物」を置く。「壁」を想定することによって、体が早く開くことなく、本塁に向かって真っすぐ左足を踏み出す意識付けになるというのだ。

 課題が見つかったのは初先発した6日のフィリーズ戦。オープン戦2度目の登板で、メジャー初被弾を喫して、3回を2安打1失点だった。結果はともかく、田中が気になったのは時折、カーブが高めに抜けたり、勝負球のスプリットがワンバウンドしたことだった。その原因を「フォームにぶれがあった。力みからくるものであったり、ちょっと体を振りすぎたなというのがある」と自己分析。移籍してから初めて首脳陣に自己流調整を主張し、中1日でフォームの修正に乗り出した。

 知らず知らずに力を入れることで、首が傾くなど体の回転軸が一塁側へ傾きがちになることも、通訳を「壁」とすることで修正。体が傾かなければ、リリースポイントと顔の位置が離れ過ぎずフォームの安定につながる。この日は33球を投げこんだが、球数を追うごとに、プレートを蹴って跳ね上げた軸足の右足が、腰の回転によって最終的に左足の前で着地するように変化。左肩も開かずに、スムーズに捕手方向へ体重移動するフォームへと変化した。

 田中は今後、フィリーズ戦から中4日となる11日(日本時間12日)にシート打撃に登板し、再び中4日で16日(同17日)のブレーブス戦に先発する。実戦での結果も大事だが、その合間の修正能力こそが田中が超一流たるゆえん。メジャーの「壁」にぶつかる前の危機管理ともいえる「壁トレ」だった。

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