阪神・伊藤和 育成背番117の逆襲 G斬り2回5K

[ 2014年3月10日 07:15 ]

<神・巨>6回から登板した伊藤和は2回を無失点に抑える

オープン戦 阪神2―3巨人

(3月10日 甲子園)
 支配下登録復帰へ、一歩前進した。育成契約の阪神・伊藤和が、3番手で6回から登板。2イニングで5三振を奪う力強い投球を披露し、猛アピールした。

 「初回(1イニング目)は結果を出したいと思って、意識してしまった。直球はいい感じにきている。空振りを取れたので、しっかり投げれば十分に通用すると思った」

 4人の走者を出した。6回は3四死球で、7回は暴投振り逃げ。だが、ヒットは1本も許さなかった。クライマックスシーンは6回2死満塁、対高橋由だ。ストレート4連投。見逃し、ボール、空振りでカウント1―2と追い込み、最後は捕手・鶴岡の「腕を振れ」のしぐさにしっかり応える141キロ高め真っすぐで空振りを奪った。

 6回の3アウトは全て三振。7回も2つを加えた。計5奪三振の決め球の内訳は、スピンの利いた真っすぐが3つで、落差のあるフォークが2つ。“暴れ馬”ぶりで、巨人打線に鮮烈な印象を与えることに成功した。

 「正直、悔しい気持ちがあったので、絶対に取り返す、絶対見返すという思いでやっています」

 試合後、普段は穏やかな右腕が語気を強めた。右肘痛の影響でプロ2年目をファーム12試合の登板のみで終えた昨秋、育成契約への変更を通達された。悔しい思いを胸に抱えた。年初に母校・東京国際大の古葉竹識監督にあいさつに行くと「ユニホームを着させてもらえるんだから、チャンスはある。頑張れ」とエールをもらった。

 和田監督は「もう少しコントロールが落ち着いてくれば、球自体は1軍で通用する」と評価。中村GMも、開幕までに首脳陣と契約変更についての話し合いを持つ考えを示した。背番号117を2桁に戻す、男の戦いが続く。

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