良太 14年甲子園1号 今成と競争し烈 指揮官「サードだけ熱いな」

[ 2014年3月8日 08:16 ]

<神・ロ>8回2死、新井良は左越えソロ本塁打を放つ

オープン戦 阪神2―6ロッテ

(3月7日 甲子園)
 阪神・新井良太内野手(30)が7日、今季の甲子園初戦となったロッテ戦で、8回の第4打席に右腕・大谷から豪快な1号アーチを左翼席へ叩き込んだ。第1、3打席でも成瀬、中後の両左腕からきっちりと安打。3安打1打点の爆発で、雪舞う聖地、そして今成との「三塁争い」を一気にヒートアップさせた。

 たった5583人の観客しか見ていなかったのが実にもったいない。春の訪れを待つ甲子園に掲げられた、新井良の美しい放物線。1つしかない「三塁」のポジションを奪うべく、アグレッシブに打ちにいく姿勢が好結果に結びついた。

 「積極的にいこうというのがチームのアレだったので。(本塁打は)たまたま。うまく(右足に)たまってくれた」

 マウンドには大谷がいた。今季、ロッテの終盤を任せられる実力派右腕で、打てば確実に自信へつながる場面。一発で仕留めるのが新井良だ。1ストライクからの2球目。内角へ落ちてくるドロンとした121キロカーブをすくい上げると、無人の左翼席へ着弾した。前のめりになるのを耐え、一閃(せん)。高々と放り投げたバットが、手応えのほどを示していた。

 「きょう一日打てたからといってね。そんな簡単なものじゃない。まだまだ試合はあるし、しっかりやっていく」

 必然だ。宜野座キャンプ中だった2月20日、紅白戦でメッセンジャーの147キロ直球を左翼席にぶち込んだ。打った瞬間、それとわかる驚弾。この「直球を左翼に引っ張れた」という事実から、新井良はあるカギをつかんでいた。

 トップを早くつくれる準備が、完全に体になじみ、しっくり来ていたのだという。「感覚的な部分」としながら、昨年度も何度も挑戦した形だが、なかなかものにすることができなかった。求め続けていたフォームが、紅白戦の直前の練習で実を結び、即結果につながった。もう大丈夫―。1日のロッテ戦(安芸)でも、唐川のスライダーを左翼席へ。アーチの量産態勢に入っている現状も当然の結果といえる。

 「サードだけ熱いな」

 和田監督もそう評するように、新井良と今成が散らす火花はとどまるところを知らない。だが背番号32にとっては関係ないこと。目の前の打席に全身全霊をかける。

 「しっかり練習してやっていくだけです」

 投手の右左問わず響かせた快音。この音色が、指揮官に嬉しい悩みをもたらしている。

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2014年3月8日のニュース