阪神・岩本 圧巻デホ斬り 新セットアッパーに名乗り

[ 2014年3月6日 07:37 ]

<ソ・神>4回に登板し、フォークを投げる岩本

オープン戦 阪神0―6ソフトバンク

(3月5日 ヤフオクD)
 若虎が新たな可能性を見せつけた。4回から登板した阪神・岩本輝投手(21)が、新たな決め球として選んだフォークで2三振を奪うなど3人で斬った。続く5回には金田和之投手(23)が3人でピシャリ。打線が2試合連続零封を喫する中でチームに光明を見いだした。

 「石仏」ならぬ「岩仏」になれるか――。岩本が4回から2番手で登板し、1イニングを3人でピシャリ抑えた。中でも決め球として使い出したフォークをフルに活用した。まずは強打者の4番・李大浩(イ・デホ)をフォークで空振り三振。昨季シーズン198安打を放った長谷川を中飛に抑えると、最後は明石もフォークで空振り三振に斬った。21歳が一気に中継ぎ枠奪取に名乗りを上げた。

 「しっかり腕を振ったので、空振りも取れた。この投球を積み重ねていきたい。(コーナーを突いた?)それが持ち味なので。短いイニングをしっかり投げられるように、これを続けていく」

 沖縄・宜野座キャンプが始まった時点では、先発の一角を狙う立場だった。同年代の秋山、歳内らと火花を散らし、2月15日のDeNA戦(宜野湾)では3人そろって同じ試合に登板した。その中で秋山が頭一つ抜けている現状でも、中西投手コーチは岩本のマウンドさばきと強心臓をなんとかチームに役立てたいと考えた。下した結論が「リリーフ専念」。キャンプを打ち上げると同時に、オープン戦の全戦同行と積極起用を明言。そこでいきなり出した好結果に、和田監督も目を細めた。

 「1イニングだけならスピードも切れもある。使えるという感じはする」

 李大浩、長谷川とも、ボール先行の苦しい投球ながらきっちりと立て直し、凡退につなげている。2年前、シーズン終盤に頭角を現し、2勝を挙げたシンデレラボーイが、成長を経て、立場を変え、さらなる飛躍の時を迎えようとしている。

 「(先発にこだわり?)僕はそういう立場ではない。まずは開幕1軍に選ばれるように、今は中継ぎで精いっぱいやる。中継ぎの経験も絶対に今後につながる」

 きっぱりと言い切る背番号59。もう迷いはない。昨年の松田がそうだったように、若虎が一枚ブルペン陣に加わるだけでチームは活性化する。そのピースになれるよう、岩本はとにかく「ゼロ」を並べ続けていく。

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