楽天・松井裕 開幕第2戦VS西武戦先発浮上 相手は雄星有力

[ 2014年3月6日 05:48 ]

<楽・ロ>5回無失点で勝利投手の松井裕(右から2人目)は福山(64)からウイニングボールを受け取る

オープン戦 楽天5―2ロッテ

(3月5日 倉敷)
 楽天のドラフト1位左腕・松井裕樹投手(18)が5日、ロッテとのオープン戦に先発し、5回を4安打6奪三振の無失点で抑えた。最速147キロの直球に加えてチェンジアップがさえ、オープン戦は通算で7回無失点。首脳陣からはエース則本に次ぐ2番手の評価を受け、早ければ3月29日の西武との開幕2戦目(西武ドーム)での先発デビューも浮上している。

 松井裕が投じた131キロのチェンジアップが、荻野貴のバットに空を斬らせた。この日19人目の打者を打ち取り5回71球、2者連続の3球三振締め。観客席から「おおーっ」と歓声が湧き、ベンチでは星野監督が屈託のない笑みを浮かべながら大喜びした。

 プロ初勝利。「ゼロで抑えれば勝てる。ゼロで抑えている以上は野球ができているということ」と、何度もゼロという言葉を使った。相手は右打者を9人並べて対抗。それでもチェンジアップを効果的に使い、得点を許さなかった。圧巻は4回だ。2死一、三塁で細谷に外角へ3球連続でチェンジアップを投じ、3球三振を奪った。スタンドではソフトバンク、西武、オリックス、巨人、阪神の5球団のスコアラーが偵察。その中で堂々と投げ抜いた。

 初登板だった2月23日の巨人戦(沖縄セルラー)は2回を6人でピシャリ。この日は初めて走者を背負った。2回にはセットが止まらずにボークを宣告されたが、きっちり修正。3回1死一塁の場面ではクイックで荻野貴の二盗を阻止した。当初は4回の予定だったが、佐藤投手コーチから「行けるだろ」と1回延長を命じられ、それに3者凡退で応えた。

 2試合連続の零封で開幕ローテーション入りは確実となり、星野監督からは「順調過ぎて怖い。俺は気が小さいからな」と冗談も出た。さらに指揮官は、「則本の次に来るやろ。塩見といい勝負しとる」とローテーションの2番手候補を明言した。開幕投手は昨季15勝の則本が本命で、佐藤投手コーチは「(松井裕は)西武の2戦目でもいいし、(2カード目の)頭でもいい」と示唆。西武が左投手に弱いことから開幕2戦目となる29日の西武戦(西武ドーム)での起用も有力で、西武・菊池との「雄」「裕」対決が実現する。また、2カード目の頭となれば4月1日の本拠地開幕・オリックス戦。ここでは、吉田一、東明との新人対決の可能性もあり、期待は高まるばかりだ。

 この日の登場曲には、ソチ五輪のNHK中継テーマ曲にもなったコブクロの「今、咲き誇る花たちよ」を希望したが間に合わず。急きょ昨年、高堀が使用していた「ワンダフルデイズ」(ONE☆DRAFT)がかかり「期待していたのに…」と苦笑い。このときばかりは18歳の初々しい顔つきだった。
 
 ▼オリックス・川畑泰博スコアラー いい投手ですね。クイックもできるし、いいものを見せてもらった。

 ▼西武・白鳥浩徳スコアラー 高校生であれだけ投げられれば言うことはない。自分らは対戦するので(詳しいことは)話せません。

 ≪プロでも証明 ドクターK≫松井裕(楽)がオープン戦初勝利。楽天の高卒新人がオープン戦で勝ったのは07年3月19日横浜戦の田中以来7年ぶり2人目になる。この日は6三振を奪い、2月23日巨人戦での2三振を合わせ8奪三振。今オープン戦ではオセゲラ(ソ)の7奪三振を上回り最多になった。ここまで松井裕は7イニングを投げ、三振が奪えなかったのは1イニングだけ。9イニング換算の奪三振率は10・29と高い奪取能力を示している。

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