ライアン小川に“2年目のジンクス”なし 3回完全、高津コーチ「お手本」

[ 2014年3月6日 05:30 ]

<オ・ヤ>ヤクルト先発・小川は3回をパーフェクトに抑える

オープン戦 ヤクルト6―9オリックス

(3月5日 京セラD)
 ヤクルトのエース・小川泰弘投手(23)が5日、オリックスとのオープン戦に先発。抜群の制球力で3回を無安打無四球と貫禄を示した。この日は「ストライク先行」をテーマに、カーブでストライクを取るなど進化した姿を披露。昨季の最多勝(16勝)右腕は開幕投手へ順調な仕上がりを示した。

 1メートル71、80キロ。プロの世界では小柄な部類に入るヤクルト・小川が奏でるリズムは最後まで乱れることはなかった。自分に有利なカウントを築いて三振、そして凡打。それが9人続いた。

 今季2度目の実戦登板で3回パーフェクト。狙いどおり打者9人中8人から初球ストライクを奪った。「打者は初球からどんどんバットを振ってくると思ったので、その中でどうやってファーストストライクを取るかがテーマだった」。5三振を奪ったことよりも、ストライク先行の内容に手応えをつかんでいた。

 進化の証が「カーブ」だった。決して100キロを割るスローカーブではないが、1度浮き上がってから落ちる。いわゆる「ドロップ」の軌道で、球速は120キロ前後。「カウントを有利にすれば気持ちも楽になる。カーブでカウントを稼げたら一番いいし、直球も生きる」。初回は2番・平野恵の初球にカーブを選択し、低めの145キロ直球で見逃し三振。2回の高橋も初球カーブでカウントを稼ぎ、最後は142キロ直球で二ゴロ。高津投手コーチも「(小川は)ストライク先行で有利に攻めていた。お手本のような投球」と絶賛だ。

 小川がノーラン・ライアン氏のフォームを参考にしていることは有名だが、くしくも大リーグのレジェンドも強烈に落ちるカーブを得意とした。打者のタイミングを外す球があったから、メジャー歴代最多5714奪三振を記録できたのだ。

 2月19日の中日戦(北谷)から中13日となったが、昨季の最多勝右腕に「2年目のジンクス」はない。「開幕投手をやれるならば思い切ってやりたい」。小川監督は「まだ伝えていない」と言うが、28日のDeNA戦(神宮)へ心も体も向かっている。

続きを表示

この記事のフォト

2014年3月6日のニュース