小笠原 終われないワケ「あの3年間最悪ではなく…」

[ 2014年3月5日 10:20 ]

2日のDeNA戦で移籍後初の本塁打を放った小笠原

 移籍しても中日・小笠原の「修行僧」ぶりは変わらない。指揮官、チームメート、練習メニュー…。激変した環境の中でも自主トレから独特の存在感を発揮し続けている。

 「チームが変わったんだから、環境が変わるのは当たり前。全てが思い通りにはいかない。ただ1カ月間、何とかできた。それなりにいい1カ月を過ごせた」

 淡々と振り返った今春キャンプでは、97センチ、1.1キロの長尺バットを使用。試合用より約10センチ長い。その意図は、体の力をしっかり伝えて遠心力を生かす感覚がつかみやすいからだ。1月のナゴヤ球場での自主トレでは、若手の誰よりも遅くまで汗を流し、時にはランニング姿の撮影すら拒否。何びとも寄せ付けない迫力で練習に没頭した。

 2日のDeNA戦(ナゴヤドーム)でモスコーソのスライダーを右翼席に運んだ。名刺代わりの移籍1号にも「悪くはなかった。(手応えは)どうでしょう。久しく打っていなかったので」とあくまでクールだった。ただ、ナゴヤドームでは谷繁兼任監督に匹敵する大歓声を受け、復活を願うファンの期待の大きさをあらためて感じた。

 06、07年と2年連続、それも日本ハムと巨人と両リーグにまたがってMVPを獲得した希代の天才打者。統一球導入後の11年以降は打撃不振に陥り、3年間で1軍出場はわずか139試合。「あの3年間を最悪ではなく、最高の経験と捉えたい。自分にしか分からないことを味わえたから」。同じ一塁のポジションにはルナ、森野、ゴメスら実力派がひしめき、定位置は約束されていないが、不惑にして選んだ新天地。このまま終わるガッツではない。

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2014年3月5日のニュース