大田 昇格即V弾!松井コーチ効果「今までとは違う感じが」

[ 2014年2月26日 05:30 ]

<巨人・サムスン>8回無死、右越えにソロ本塁打を放つ大田

練習試合 巨人5―3韓国・サムスン

(2月25日 沖縄セルラー)
 1軍昇格、即1番先発起用。結果が出なければ降格する危機感を抱きながらも、巨人・大田は無心になれた。「来た球を芯に当てる」。1日1000スイングを超える練習量が心をシンプルにし、スムーズに打球を叩く。右翼へ伸びる放物線を確認すると背番号44は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 「沖縄はあと2試合しかない中で(1軍に)呼んでいただいた。死ぬ気というか、ラストチャンスでやらないといい結果は生まれない。自分ではあんなに飛んでビックリしています」

 3―3で迎えた8回先頭。横手投げ右腕の背番号55をつけたシム・チャンミンの初球、142キロの真ん中高めに浮き上がった速球を上から叩くと、右翼後方の防球ネットに当たる120メートル弾。「今までとは違う感じがあった。松井(秀喜)さんに教えていただいた成果。いい角度で出ているから飛距離が出た」と言った。イメージはプルヒッター。1軍の全25安打のうち、右方向へはわずか4安打だったプロ6年目の手には初めての感触が残った。

 宮崎キャンプで松井臨時コーチから、テークバックで球との距離をとってから振り抜くことを教わった。メジャー通算654本塁打のロドリゲス(ヤンキース)の打撃フォームもパソコンの映像で一緒に見て、強打者でも下半身主導で打つことを確認した。打席での心構えを聞くと「来た球に素直に反応すること」。大田は無心となれるまでバットを振った。

 初回には左前打。5回無死一、二塁では四球を選んだ。本塁打以外にも中身の濃い3打数2安打1四球。ただ、守備では悪送球で失策もついた。原監督も「心技体ともに継続していってもらいたい」と評価は避けた。1試合だけで認められるわけではない。

 「成功例が増えれば自信にもなる。今後も一試合にすべてをかける」

 1軍に生き残らなければ、首脳陣、そして松井氏に恩返しはできない。

  ▼DeNA・斉藤肇スコアラー 逆方向にああいう打球を飛ばされると怖い。今みたいな打撃を継続されたら脅威。要注意だね。

 ▼広島・奥昌男スコアラー 良いものを持っているから確率の問題。

 ◆大田 泰示(おおた・たいし)1990年(平2)6月9日、広島県生まれの23歳。東海大相模では1年秋から4番を務め、高校通算65本塁打ながら甲子園出場なし。08年ドラフト1位で巨人入団。1年目の09年6月21日のロッテ戦(東京ドーム)で1軍初出場。通算成績は59試合で打率・197、2本塁打、12打点。1メートル88、95キロ。右投げ右打ち。

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