マエケン、8年目の進化へスプリット解禁 マー君影響は否定

[ 2014年2月17日 05:30 ]

ブルペンでスプリットを試投する前田健

 広島・前田がキャンプ第4クールの16日、2日連続で日南・天福球場のブルペンに入った。投じた全56球のうち10球は、今キャンプで初めて投げるスプリット。08年のシーズン以来封印していた変化球を試投し、8年目の進化に意欲を示した。

 「毎年ちょっとずつ練習し、今年は“これだ”というものがある。打者の反応を見ないとわからないけど、うまく投げられそうな気がします」

 スプリットと言えば、ヤンキースへ移籍した田中の決め球として有名。前田健はこれを、直球とカーブなどの変化球を投じる合間に3球、5球、2球と投げた。序盤は心なしかさえなかった表情が、終盤は納得したものに変わっていた。

 純粋な新球ではない。本人によると、入団1、2年目には投げていたという。封印したのは「自信のあるボールじゃなかったので、あまり投げなかった。スライダーも覚えた」のが理由。以来、スプリットのサイン自体を無くしていた。

 「落ち方が一定じゃない」ためフォーク習得を断念し、チェンジアップやスライダーに活路を開いた右腕。以来、同じ変化球でも球速差をつけるなど、工夫を凝らしながら進化してきた。今季の糧はスプリット。田中の影響を問う声には「余っている球がこれしかないので」と否定した。

 日南にはこの日、レ軍とド軍に続き、マリナーズの山本泰日本担当スカウトが訪問。右腕の投球練習は既に終わっていたが「ブルペンを見るレベルの投手じゃない。試合は見ます。深く潜行します」と意味深に話した。

 激化するメジャースカウトのキャンプ地詣で。そんな喧噪をよそに、前田健は「これから精度を上げ、使えるボールになればいい。継続していきたい」ときっぱり。自身を進化させる“新球”習得にまい進する構えだ。

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2014年2月17日のニュース