元ハム監督のヒルマン氏エール マー君幸運は「黒田と一緒にやれること」

[ 2014年2月13日 08:48 ]

大勢集まった報道陣のために球場内のスイートルームで行われた田中の入団会見

 2003~07年に日本ハムの監督を務め、今季からヤンキースの育成担当特別補佐に就任したトレイ・ヒルマン氏(51)が、田中にエールを送った。先月上旬の田中とヤ軍との面談にも同席した同氏は、ドジャースのベンチコーチ時代の11年に間近で接した黒田を手本にするよう説いた。

 ヤンキースと契約した田中にとって最も幸運なのは、黒田と一緒にやれることだ。私の中で日本の投手の中で最も安定した成績を残し、成功してきた人物。黒田ほど頼りになる投手はいない。過去6年間で両リーグで投げたし、プレーオフも交流戦も経験している。真のプロフェッショナルで、メジャーの投手からも敬意を払われている。

 最近、日本人投手が成功しているのは偶然ではない。メジャーのボールに早くから慣れようとしているし、投球スタイルも三振を狙うより芯を外して凡打を打たせ、少ない球数で試合を投げ切るようにしている。田中もそういった先輩の経験から学べる。

 田中と最後に話したのは、彼がプロ1年目の07年の球宴だった。今年1月8日のロサンゼルスでの面談。実は私はその2日後に日本に行く予定があったので、急に声がかかって驚いたが、同時にうれしかった。面談では「ヤンキースは野球をするものにとって最高の環境。これほどみんなが高い意識を持って、誇りを持って野球に取り組んでいる場所はない」と伝えた。キャッシュマンGMはチームの歴史などを説明し、ロスチャイルド投手コーチは、実際にスカウティングリポートを見せて解説していた。ジラルディ監督は、現在の投手陣にどれだけフィットするか、どういった役割を期待しているかを説明した。

 田中はずっと聞き役だったけど、興味深そうに聞いていた。口数は少ないけど、プロとしての自信がうかがえ、芯が強いと思った。私は(日本ハムで)ダルビッシュの監督だったけど、2人の共通点は野球では誰にも負けたくないという強い意志を思っていること。同時に悪い投球をしてもすぐにそのことは忘れて気持ちをすぐ切り替えられること。07年の球宴(田中は第2戦に先発して2回6失点)でそう感じたことを覚えている。だから、彼はメディアやファンからのプレッシャーにつぶされるタイプではないと思う。

 ジラルディ監督とロスチャイルド投手コーチとも経験豊富で、長期的な視野も持っている。長く活躍できるように、うまく起用してくれると思っている。

 ◆トレイ・ヒルマン 1963年1月4日、米テキサス州生まれの51歳。テキサス大アーリントン校から84年に外野手としてインディアンスに入団。メジャー昇格は果たせず、87年に現役引退。90~01年にヤンキース傘下マイナーで12年間監督を務め、03年に日本ハム監督に就任。06年にはチームを44年ぶりの日本一に導いた。07年シーズン終了後に退団。08年からロイヤルズ監督などを歴任し、今オフにヤンキースの育成担当特別補佐に就任。

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