阪神ドラ1岩貞 ベテラン関本の内角ズバズバッ 武器は“汚い回転”

[ 2014年2月11日 07:56 ]

プロ入り初のフリー打撃に登板する岩貞

 ドラフト1位の看板に偽りはなかった。阪神の高知・安芸キャンプ第2クール4日目の10日。これまでブルペン投球のみだった148キロ左腕が、ついにベールを脱いだ。打たれて当然のフリー打撃を、岩貞(横浜商大)は一つの勝負ととらえていた。

 「普通に全部抑えようと思った。いい当たりをされたくないので」

 まず対峙(たいじ)したのは関本だった。百戦錬磨のベテランに、相手の形でほとんどスイングをさせない。29球投げ、安打性の当たりは左翼ポール際に放り込まれた1本のみ。続くルーキー陽川にはクリーンヒットを1本も打たせなかった。打者2人に54球、ボールが20球と若干、多かったものの安打性の当たりはわずか1本。有言実行の投球だった。

 「打者との対戦は4カ月ぶりぐらいだったが、とても楽しかったです」

 全力で投げたわけではない。力は「6~7割」。それでも打者が打ちあぐねる理由を「よう動いているのは動いている。(きれいな回転は)1球もなかった」と関本が明かした。

 岩貞は直球の握りを、一般的な2本指でなく、薬指もかける3本指で投げる。これが不規則な回転を生むと本人は分析する。「(自然に)食い込んだり、外に逃げたりというのがもともとある。それが良いのか悪いのか。これから分かっていくと思います」。ムービング・ストレート。これこそが、左腕の最大の長所だ。

 加えて、肝っ玉も据わっている。関本相手に「一番使うコースだから」と、内角直球を主体に投げ、その反応を見ていた。実績あるベテランで己の力量を測るあたり、新人らしからぬ神経のずぶとさと言っていい。

 1月の新人合同自主トレ中に発熱し、6日間休んだ。そのため、キャンプは宜野座スタートから安芸へ変更された。それでも、この日の投球で晴れて遅れを取り戻した。早ければ、13日の第3クール初日から宜野座組に加わる。岩貞の逆襲はこれからだ。

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