春季キャンプのルーツは77年前の甲子園だった 打倒沢村の猛練習

[ 2014年2月6日 07:28 ]

ノックで笑顔が弾ける(左から)福留、西岡、新井

 プロ野球の春季キャンプが1日、各地でスタートし、球春到来を告げた。そもそもこの春季キャンプは、いつから始まったのだろうか?

 1937(昭和12)年の2月12日、大阪タイガース(現阪神)の選手全員が甲子園球場に集合し、始まった猛練習がそのルーツといわれている。今から77年前のできごとである。

 この特訓が始まってから10日あまり過ぎた2月24日のこと。甲子園のすべての出入口に鍵が掛けられ、報道陣がシャットアウトされた。

 通常のマウンドより0・5メートルほどホーム寄りに新たなマウンドを作られ、タイガースの一線級の投手たちがマウンドにあがった。巨人のエース・沢村栄治のスピードに対応するための特訓が始まったのだった。

 発案者は当時のタイガース主将・松木謙治郎。この練習は3月2日まで続き、選手たちは外部との接触を一切断たれた。特訓は過酷を極めたという。

 この猛練習を経て、タイガースナインは開幕を迎えた。特訓の甲斐あって、松木はこのシーズンの首位打者と本塁打王に輝くものの、残念ながらタイガースはこの春のリーグ戦でも沢村を打ち込むことができず、巨人に優勝をさらわれてしまった。

 沢村は最優秀防御率、最多勝利、最多奪三振、最高勝率と投手タイトルを総ナメ。松木の予想を超える剛速球に特訓の甲斐なくタイガースは敗れ去ったのだった。

 2014年シーズンのセ・リーグ開幕戦は、巨人対阪神。伝統の一戦でスタートする。果たしてどんな試合になるのだろうか?伝説に思いを馳せつつ開幕を待ちたい。(スマホマガジン『週刊野球太郎』編集部)

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