福留 柵越え60本 圧巻の340スイング「探りながらだよ」

[ 2014年2月6日 08:10 ]

特打で絶叫する福留

 一心不乱にバットを振った。午後からの個別練習。メーン球場では阪神・福留が特打を開始した。当初は数十分で終わると思われていたが、バットを握りしめると、黙々と80分間も白球を打ち返した。

 「(最初から特打は)やろうと思っていたよ。目的を持って振っている。自分の感覚をつかむためにね。バットを振り込みながら探りながらだよ」

 他を寄せ付けない雰囲気だった。3人の打撃投手を相手に、水分補給に費やした時間はわずか数十秒だった。水分量にして500ミリリットルのペットボトル1本を打席内で一気に飲み干すと再び練習を再開した。振り続けた数は288スイングを数えた。そして柵越えは51本。右翼席を中心に力強い打球を放ち続けた。通常のフリー打撃を合わすと合計340スイングで柵越えは60本に達した。

 「バットを振る体力があったことを確認できた。(和田監督からのアドバイスは)自分では気付かないこともあるしね」

 特打中には和田監督が直接指導する場面もあった。身ぶり、手ぶりを交えてアドバイスした指揮官は「トップの位置が浅くなっていた」と説明した。メジャーの速いボールと、動くボールに対応するために米国時代はコンパクトな打撃フォームになるようにスイング軌道を修正。米国での5年間で染みついた癖が残っていた。

 「日に日に強さ、スピードは出てきている。いい方向に進んでいる。昔のいいときを思い出している。本来のイメージができてきているんじゃないか」

 指揮官は打撃の復活に手応えを感じていた。今キャンプは初日から打ち込みを敢行。毎日、500スイング以上は振っている。その練習内容からも昨年5月に手術した左膝の回復は順調な様子だ。

 「技術的にはまだ。まだまだこれからも振っていく」。あくまでも試運転を強調したが、完全復活を予感させるスイングが何よりの証拠だ。若手以上の練習量を続けているベテランの頭の中に「妥協」の文字はない。

 ▼阪神・関川打撃コーチ(福留について)感覚ができてきている。ボールとの距離も取れている。

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