石井一久氏が片岡直撃 背番8を「どうやって自分の番号にしていくか」

[ 2014年2月6日 09:10 ]

対談を終え笑顔で握手する片岡と石井氏(左)

 今年からスポニチ本紙評論家となった日米通算182勝左腕・石井一久氏(40)が「今が旬」の選手に直撃する新企画。その第1弾は、西武時代の同僚で、昨オフにFAで巨人に移籍した片岡治大選手(30)です。片岡の性格を知り尽くした石井氏が巨人の宮崎キャンプ地で、新天地の雰囲気、完全復活への決意、背番号8のことなど、カズカズ聞いちゃいました。

 石井 初めての巨人キャンプはどう?

 片岡 宮崎で合同自主トレを3日間やって、そのままキャンプインというのは、西武と違ったので、ちょっと変な感じはありましたね。ここで“初めまして”ですから。

 石井 西武はキャンプ前に出陣式があって、そこであいさつできるからね。ホテルの部屋は自分仕様にしている?これ、大事だからね。

 片岡 いえ、まだ。部屋を広く使うためにツインベッドの一つを出したりしている選手もいますけど、僕はとりあえず静かにしています(笑い)。

 石井 西武は生え抜きが多いけど、巨人はいろんな球団から選手が来て、ライバルも多い。そのあたりの競争意識は?

 片岡 やるからには正直、ライバルの存在がいてくれた方がいい。がっつり意識してやっているので、僕にとっては恵まれています。

 石井 片岡にとっては初めての移籍。ここ最近はそういう環境がなかったでしょ。俺はメジャーに行ったり、FAで西武に移籍したり、それなりに緊張感があるところでやってきたから。

 片岡 カズさん、緊張感あったんすか?(笑い)

 石井 あったよ。それなりに(笑い)。

 片岡 僕は結果を出さなきゃという使命感みたいなものはあります。

 石井 自分が相手チームだったら、片岡がオーダーに入る打線は本当に嫌。プレッシャーをかけられるランナーはそういない。その役割は自分でも分かっているでしょ。

 片岡 求められていると思うし、やらなければいけない。まずは競争に勝つ。そのためにもキャンプでケガをしないことですね。

 石井 片岡の場合、一番はケガだよね。

 片岡 最近は毎年ケガをしていますから。

 石井 打順は、1番とか2番に入ると思う。そうなると、やっぱり盗塁。ここ最近は脚のケガもあって、盗塁をしていない(過去2年は1桁)。原監督も、片岡には08年の日本シリーズの時のイメージがあると思う。今年、盗塁の意識はどう?

 片岡 まだ万全じゃないので、大きいことは言えないですけど、もう一度輝きたいというのはありますね。走ることに対してもう一回意識を持ってやろうと思います。もちろん、数も意識してます。

 石井 背番号8の片岡を初めて見たけど、もうちょっと8を小さくしてもらった方がよくない?

 片岡 それは監督の意向で、背番号は大きくと。

 石井 8は小さい時から見ていた原監督がつけていた番号だし、やっぱり重い数字?

 片岡 僕は西武でも7番をつけさせてもらった。入団1年目はこんな偉大な番号が2軍にいたらまずいなという思いでやっていた。その時と似たような感覚ですね。

 石井 西武の7番と言えば石毛(宏典)さんで、そこから(松井)稼頭央がつけ、今は片岡のイメージになっていた。でも巨人の8番はまだ原さんのイメージが強い。西武の時のようにどうやって自分の番号にしていくかだよね。

 片岡 そうですね。でも、これから試合が始まったらダメな時もあるし、そういう時に意識しなければいいんですけど。意識しちゃうタイプなので。

 石井 片岡はアバウトにやっているような感じで、実は考え過ぎちゃうタイプだからね。巨人はどちらかと言うと、チーム内よりも外からプレッシャーをかけられるチーム。あまり責任感を出しすぎないでほしい。

 片岡 そうしたいんですけど、一喜一憂しちゃうタイプなので。

 石井 片岡が巨人を選んだのは、勝てるチームということもあると思う。08年に西武で一緒に日本一になったけど、そこから優勝がない。そろそろ優勝したいでしょ。

 片岡 そうですね。優勝したいっすね。本当に楽しかったですから。

 石井 優勝した時じゃないと味わえないものがあるよね。ところで、最近ビリヤード始めたよね。

 片岡 えっ、僕っすか?全然。そういうことにした方がいいですか?(笑い)

 石井 片岡は基本、外に出ない。インドア派だよね。その辺がちょっと心配かな。友達づくりの輪をあまり広げないタイプだから。そういう意味では内海とか同学年の存在は頼もしいよね。

 片岡 それは本当に助かってます。一番に連絡しましたから。それ以外でも長野とか坂本とか、話しかけてくれるし。やりやすい環境をつくってくれています。

 石井 今回、キャンプを見に来ていた片岡の両親にもお会いしたけど、その存在は大きいでしょ?

 片岡 そうですね。毎試合、メールが来ますしね。気にしているんでしょうね。

 石井 ケガして心配させちゃダメだよ。親は一番のファンみたいなところあるからね。

 片岡 はい。頑張ります。

 ◆片岡 治大(かたおか・やすゆき)1983年(昭58)2月17日、千葉県生まれの30歳。宇都宮学園(現文星芸大付)では3年夏に甲子園出場。卒業後は東京ガスを経て、04年ドラフト3巡目で西武入団。2年目の06年から頭角を現し、07年から4年連続盗塁王。08年には最多安打とベストナインを獲得した。09年の第2回WBCでは日本代表に選出。昨オフにFA宣言し巨人に移籍。1メートル76、80キロ。右投げ右打ち。

 ▽08年の日本シリーズ 巨人を4勝3敗で下し、4年ぶりの日本一になった。片岡はリードオフマンとして全試合で安打を放ち、5盗塁をマーク。第7戦では、1―2とリードされた8回に先頭打者として四球で出塁すると、次打者の初球に二盗に成功。犠打で1死三塁となった後、中島の打球は前進守備への三ゴロだったが、完璧なスタートで同点のホームを踏んだ。この「神走塁」で逆転勝利を呼び込んだ。移籍1年目の石井はシーズン11勝を挙げ、シリーズ第7戦では先発・西口の後を受けて登板し、3番手・涌井につなぐ豪華リレーを演じた。

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