ロッテ成瀬 ブルペンで工夫 切れ出る“19・44メートル”の理由

[ 2014年2月5日 09:15 ]

唐川と成瀬は捕手を定位置より1メートル以上も下がらせ投球練習

 ロッテ・成瀬がブルペンに入ると、捕手はおもむろに定位置から1メートル下がって座り、ミットを構える。40球ほどその状態で投げ込むと、今度は捕手が定位置に戻り投球練習を再開する。マウンドから本塁ベースまでの距離は18・44メートル。前半の投球をあえて19・44メートルにする理由を成瀬はこう説明した。

 「いつもよりも遠い目標まで勢いが衰えない球を投げられれば、18・44メートルで投げた時に球に強さと切れが出るんです」

 1月の自主トレで何げなく試したことがきっかけだった。「18・44メートルに戻すと、捕手が凄く近くに感じて明らかに腕の振りもよくなった」。今キャンプはすでに3度ブルペン入り。いずれも全体の約4割を、19・44メートルで投げた。偶然にも、唐川も同じ投球練習を行っていた。ともに直球のアベレージは130キロ台。速さではなく、切れが生命線の投手ならではの工夫だ。

 川崎投手コーチも現役時代に同じ練習を試したことがある。「たった1メートルでも、凄く遠かったり近く感じるもの。最初のうちは18・44メートルに戻して球の質が良くなるのは3球ほど。でも、続けることで常に強い直球が投げられるようになる」。わずか1メートル、されど1メートル――。小さな積み重ねの継続が、やがて大きな変化をもたらす。

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