掛布DC“ヒゲダンス打法”伝授 初日から11時間熱血指導

[ 2014年2月2日 06:28 ]

ロングティーをする北條(左)を指導する掛布DC

 安芸組のキャンプが“掛布劇場”で始まった。阪神・掛布GM付育成&打撃コーディネーター(DC)が1日、約11時間に及ぶ熱血指導をした。

 幕開けは朝6時半だった。宿舎の大広間で野手の朝練習に付き合った。選手が広間に敷かれた畳一畳の上で、DCが発注した赤いゴムチューブで素振り。その後もバットに持ち替える姿に熱心に目をやった。

 場所をグラウンドに移すとロングティーでは北條に、ドリフターズの志村けんと加藤茶のコンビでお茶の間を笑いの渦に巻き込んだ「ヒゲダンス」のように膝を柔らかく使う“ヒゲダンス打法”を伝授した。

 午後の個別練習では、フリー打撃に登板し、2年目の北條相手に“エール”の64球を投じた。

 「投げるつもりなかった。でも、特打の時、八木コーチから“5分間、投げられますか”ということだった。そこから“ノー”といったらボクらしくない。ボールは多かったけど、意外に投げられたから安心している」

 予期せぬ“前倒し”登板に安芸市営球場は大いに盛り上がった。前日31日には「宜野座に悪いから2日にしようかな」と話していたDCだったが、生き生きとした選手を前に野球人の血が騒いでしまった。

 平田2軍監督が北條に対し44球を投げ終えたところでマウンドへ。最初は多かったボール球も、徐々に伸びのある直球を披露。64球を投げ終えると、スタンドから拍手喝采で「もう(今年)59だよ!」と笑顔で返した。

 練習中もベテラン、若手に声をかけ続け、最後は打撃投手。午後5時20分、すれ違った北條に「ナーイス、ヒゲ打法!」と踊りながら声をかけ、球場を後にした。「あしたというよりは2日後。肩と腰の張りが出る明後日が怖いね」

 豪快に笑って締めた掛布DC。「けっこう長い1日だったはずだけど、長く感じなかった」。選手同様、表情は充実感で満ちあふれていた。

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2014年2月2日のニュース