マー君 楽天ナインに別れ 壮行会でクローバー柄ネクタイ贈られる

[ 2014年1月31日 05:31 ]

楽天ナインとの最後の自主トレ。練習場で青山(左)らチームメートと話す田中

 再会は世界一報告に――。楽天からヤンキース移籍が決まった田中将大投手(25)が30日、コボスタ宮城で自主トレを行った。31日にキャンプ地の沖縄・久米島入りする星野仙一監督(67)らチームメートに別れのあいさつ。前夜、開かれた「壮行会」で高級ブランド「エルメス」のネクタイなどを贈られた田中は、世界一の称号を手にしての凱旋を誓い、2月上旬に渡米する。

 別れの儀式は、新たな戦いの始まりだ。コボスタ宮城の室内練習場のいたるところで、田中はチームメート、関係者と握手を交わした。31日に久米島に出発する楽天関係者と顔を合わせるのはこの日が最後。「今までみんなと一緒に自主トレをしていたけど、きょうになって、今までと(自分の立場は)違うと思いました」。それでも感傷的になることはなく、オフに最高の再会を果たす覚悟を強くした。

 「皆さんに頑張れよと言っていただいた。僕も皆さんに頑張ってくださいと言いました。お互いにいい報告?そうなれば一番いい。僕はなるべく早く帰ってこないようにしないといけない」

 その言葉が意味するのは、ワールドシリーズ制覇に他ならない。ヤ軍と7年総額1億5500万ドル(約158億1000万円)で合意したことを発表した会見でも「目標は世界一です」と繰り返した。メジャーのレギュラーシーズンは9月28日に終了。ポストシーズンに進出できなければ、その時点でオフに突入する。10月22日に開幕するワールドシリーズで頂点をつかみ、楽天のチームメートとの再会を「世界一報告会」にすることを頭に描く。

 前夜はプチ壮行会が開催された。小山伸、青山、嶋、永井ら07年の入団から7年間、ともに戦ったメンバーら10数人と仙台市内で会食。そこではサプライズでプレゼントが贈られた。高級ブランド「エルメス」のネクタイとネクタイピン、カードケースだった。ネクタイはヤ軍のチームカラーでもあるネービー地にクローバー柄。田中が大ファンの「ももいろクローバーZ」を意識したいたずら心も交じった戦友たちからの心配りだった。

 「やっぱり寂しいですよね。プレゼントは大したものではないけど、入団会見で着けてほしいと思って」と小山伸。これには田中は「会見で着けるかは分かりませんよ」といたずらっぽく笑ったが、「ありがたかったし、大事に使わせてもらいます」と感謝した。

 ビザ取得の関係で渡米日程が決まらず、31日以降も、仲間との思い出が詰まった仙台で自主トレを継続する。日本から世界へ戦いの場を移す田中。あらためて目標の世界一を強烈に刻み込んだ。

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