「バリカン星人」阿部が喝!勝負の2年目内野手に丸刈り鬼指令

[ 2014年1月30日 07:43 ]

バリカンで刈り込んだ短髪を阿部(右)にいじられる坂口

 巨人の阿部慎之助捕手(34)が鬼指令を発した。27日夜に宮崎市内の焼き肉店で行われた「野手会」で、髪の長かった坂口真規内野手(23)に断髪を厳命。坂口は29日に同市の総合運動公園内で行われた1軍合同自主トレに12ミリの丸刈り頭で現れたが、村田修一内野手(33)からは中途半端とダメ出しされた。井端、片岡の加入により激しさを増す内野手争いでの生き残りをかけ、坂口はさらに刈り込むことを誓った。

 球場に現れた坂口はおしゃれな丸刈り頭へ華麗に変身していた。髪は12ミリに整えられ、サイドだけ刈り上げたツーブロック。大学時代以来、3年ぶりという丸刈り頭に「きのう(河野)元気にやってもらいました」と爽やかに笑った。心機一転、この日はノックやフリー打撃に取り組み、吹っ切れた様子で気持ちよさそうにタオルで汗を拭った。

 断髪の真相は「バリカン星人」の再襲来だった。27日夜に行われた「野手会」。阿部は「髪長いな。あすバリカン買ってこい。おまえはアピールしないといけないから、いっとけ!」と坂口に重大な指令を出していた。

 3年前の8月6日。阿部は自ら頭を丸め「修行僧のように頑張る」と決意を新たにした。翌7日の広島戦(マツダ)で決勝ソロを放つと、気合の入っていない選手は「丸刈りにする」と宣言。同12日の試合直後に沢村が阿部に借りたバリカンで丸刈りにするなど、「バリカン星人」となることでチーム全体のかぶとの緒を締めた。

 今季は井端、片岡の加入により、内野手のレギュラー争いは激化。日本一奪取に向けてチームを活気づける若手の台頭は必要不可欠だ。坂口は1年目の昨季、プロ初先発で初安打初打点をマークするなど7試合に出場し10打数4安打。勝負の2年目でし烈なサバイバルを勝ち抜くためにも覚悟を示してほしい。阿部の指令にはそんな思いも込められていた。

 それでも坂口の決意表明は、12年9月に9ミリまで頭を丸めた男・村田の胸には響かなかった。「まだ長いよ。やるんだったらしっかりやれって。“プリズン・ブレイク”のマイケル・スコフィールドぐらいにね」と米国の俳優、ウェントワース・ミラーを例に出しながら、ダメ出し。坂口は「きょうの夜、9ミリにします」とさらに短くすることを誓った。

 高校時代は現在チームメートの東海大相模・大田と同じ右の長距離砲として「東の大田、西の坂口」と称された逸材。「1軍に生き残るため必死になってバットを振ります!」。気合を入れ直し、頭とバットで光り輝く飛躍の一年にする。

 ▽阿部と丸刈り 11年8月5日の広島戦(マツダ)で沢村が1回2/3、4失点でKOされると、バッテリーを組んだ中大の先輩・阿部が翌6日の試合前に率先して丸刈り。沢村は2試合連続でふがいない投球をした場合には自身も丸刈りにすると阿部に約束した。沢村は続く同12日の広島戦(東京ドーム)で7回4失点で敗戦投手。試合直後、阿部のバリカンを借りてロッカールームで自ら丸刈りにした。

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