バレ ざんげの即始動 助っ人が異例キャンプ前から打撃練習敢行へ

[ 2014年1月30日 07:05 ]

うっすらと涙を浮かべながら騒動を謝罪するヤクルト・バレンティン

 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が29日、東京都内の球団事務所で記者会見し、米国で離婚協議中の妻を暴行、監禁した疑いで逮捕された騒動について謝罪した。裁判所の審理が継続していることから会見では事件について言及しなかったが、ファンへの罪滅ぼしとして昨季記録した60本塁打以上の活躍を誓った。30日は春季キャンプに備えてチームとともに沖縄入り。優等生に変身した助っ人は早速、打撃練習に取り組む。

 濃紺のスーツ姿で会見の席に着いたバレンティンは深々と頭を下げた。会見では終始神妙な表情を見せていたが、故郷のオランダ領キュラソー島の子供たちへの思いを問われると、目を充血させた。

 「今の自分にできることは皆さんに謝罪することだけ。あとは子供たちの目標となるプレーを見せるしかない。昨年と同様の成績か、それ以上の活躍をしなくてはいけない。それがチームの日本一につながればいい」

 昨季は64年に巨人王貞治がマークした55本塁打を塗り替え、プロ野球新記録となる60本塁打を放った。49年ぶりに更新した金字塔だが、失った信頼を取り戻すために今季はさらなる更新を約束。これがバレンティン流の懺悔(ざんげ)だった。

 妻への暴力などの疑いで12日に逮捕され、15日に保釈された。一時は2月1日からの沖縄キャンプに間に合わないと懸念されたが、24日に渡航許可が下り、28日に来日した。とはいえ、調整遅れは必至。バレンティンも「このようなことがあって体は十分にできてはいない」と認め、米国ではキャッチボールと軽めの打撃を行った程度だ。

 30日には、チームと一緒に沖縄入りするが「キャンプ初日からチームメートと同じメニューをこなす。あすは荷物を整理して、できればケージに入って少し打撃練習もやりたい」と前向きに話した。キャンプ前に外国人選手が本格的な練習をするのは異例のこと。来日1年目の11年には米国で何もしないまま来日したこともあったが、まるで別人のように自主練習に取り組むというのだ。

 会見でバレンティンと一緒に頭を下げた衣笠剛球団社長(64)も「ファンに理解してもらうためにも昨年以上の活躍と真摯(しんし)な態度を見せてほしい」と注文をつけた。出遅れを想定し、一度は白紙に戻った一塁転向案についても助っ人は「必要であればやる」とキッパリ。泥まみれになってノックを受ける可能性も出てきた。「シーズンに入ってしまえば、集中してやるだけ」。オフ中に大騒動を巻き起こしたバレンティンだが、こんな姿勢が続けばグラウンドでも大暴れしてくれそうだ。

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