大瀬良最多70球 マー君と同じ握りのスプリットも試投

[ 2014年1月27日 05:30 ]

ファンからのサインの求めに気軽に応じる広島・大瀬良(奥は九里)

 金の卵は進化への歩みを止めない。広島のドラフト1位ルーキー・大瀬良大地投手(22=九州共立大)が26日、廿日市市の大野練習場で今自主トレ最多となる70球の投球練習を行った。試合で投じたことのないスプリットも試投。ヤンキースへの入団が決まった田中とほぼ同様の握りで、投球の幅を広げるために春季キャンプで本格習得を目指していく。 

 捕手のミットを叩く、乾いた音が屋内のブルペンに反響した。捕手を座らせたままながら、合同自主トレ自身最多の70球。大瀬良がまた一段階、練習の強度を上げた。

 「中盤くらいからは、いい球があった。修正していく部分が見つかったという感じです」

 春季キャンプ、そして開幕1軍に向け、黄金ルーキーは着実に歩みを進めていく。プロの世界で戦う上での新たな武器を右腕は模索している。数球を、習得を目指すスプリットを混ぜ込んだ。

 「投球の幅は広がりますし、ブルペンでは投げると思います。試合で投げられるくらいになればいいのですが…」

 大学1年時にフォークボール習得に取り組んだが、思うような球が投げられず断念。しかし昨年夏ごろから、今度はフォークより落ち幅の少ないスプリットの研究に着手した。球の握り方を追求していった結果、ヤンキースへの入団が決まった田中とほぼ同様の握りになったと言う。

 「あの球はヤバイですよね。僕のはまだ全然ですから」

 試合で投じたことはなく、軌道もまだ“本家”の足元にも及ばない。キャンプで、まずはスプリットを持ち球のレベルまで高める構えだ。

 最速153キロの直球にカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップを有する右腕にとって、微妙な縦変化はこの上ない武器となる。反面、リスクも含む。11年春季キャンプでは前田健がフォークボールの習得に取り組んだ。試合でも投じたが、投球フォームのバランス、さらに他の変化球に悪影響が出ることを懸念し、その後封印した経緯がある。

 「大丈夫だとは思いますが、見ながらですね」

 前日25日は卒論発表のため、広島を離れた。卒論のタイトルは「真のエースの条件とは 大瀬良大地の4年間」。本人の考えるエースの条件は「コイツで負けたら仕方ないと思われる投手」だ。理想を求め、現状に満足はしない。

続きを表示

2014年1月27日のニュース