梵、23年ぶりリーグ制覇意欲 自主トレから帰国即初ノック&初打ち

[ 2014年1月22日 09:30 ]

グアム自主トレから帰国し、大野練習場で本格的に始動した広島・梵

 広島・梵英心内野手(33)が21日、廿日市市の大野練習場で本格的に始動した。自主トレ先のグアムから帰国して2日目。前日20日から合同自主トレに参加し、この日は初ノック、初打ちと精力的に動き回った。南国でいち早く体を仕上げて臨む9年目。新選手会長は23年ぶりのリーグ制覇へ向け、往時のスピード復活とチームけん引を誓っている。

 今季に懸ける意気込みと、仕上がりのよさを言外ににおわせる、始動ぶりだった。初の海外自主トレを19日に打ち上げたばかりなのに、翌20日には大野に姿を見せた梵。前日はアップとキャッチボールで切り上げたが、この日はフリー打撃や守備練習に取り組んだ。

 「こっちが寒い分、グアムではボールを使って練習したいと思っていたけど、想定した以上にできた。いい誤算。集中してやれたし、しんどい内容の練習もできた」

 小窪とともに9日から汗を流した、グアムでの10日間。午前9時からランニングやフィジカル強化に励み、午後は球場で打撃や守備練習をこなしてきた。「今季1号はもうブチかましたよ」。成果を語る梵の表情は明るい。宿舎に帰り着くと午後5時を過ぎたという。

 思い起こせば1年前、右膝手術後の同時期は復活を懸け、リハビリ真っ最中だった。「ギプスが取れて、歩き始めたぐらい」。それが一転、南国で濃密な時間を過ごした今春。年末から継続する下半身中心の地道なトレーニングの成果であり、仕上がりは雲泥の差だ。

 いきおい、9年目の今季に向けては「ポジションをもぎ取り、144試合ある以上、全部に出る気持ち」と宣言する。遊撃の定位置は故障がない限り最有力だが、「もぎ取る気持ちがないと、野球人生は長くできない」ときっぱり。さらに梵は声を大にして言う。

 「スピードがボクのイメージ。目標はソコ(復活)に置いて、自分にハッパをかけながらやりたい。去年は(起用に)気遣ってもらい、迷惑もかけた。恩返しがしたい」

 いずれも膝の状態に自信が芽生えているからこその発言。発奮材料も、あまたある。順調にいけば7月にもFA権を取得。オフの役員改選では選手会長に選ばれた。「一番の目標は優勝」。個人的な数字を挙げなくても、チームが目指す位置は誰よりも強く認識する。

 「自分なりに仕事をこなし、皆さんから“よくやった”と言われるシーズンにしたい」

 酸いも甘いも知るベテラン。梵は確かな自信を胸に、チームの先頭に立つ2014年をにらんでいる。

続きを表示

2014年1月22日のニュース