初ブルペン大瀬良に元新人王絶賛「最多勝争いする器」

[ 2014年1月19日 05:30 ]

初めてブルペンに入り、ピッチング練習をする大瀬良

 大絶賛だ。広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22=九州共立大)が18日、大野練習場のブルペンでプロ入り後初の投球練習を披露した。“おかわり”要求の1球を加え、捕手を立たせたまま21球。見守った川端編成部グループ長は入団当時の黒田(現ヤンキース)や、自身を含む歴代新人王よりも「上」と断言。新人王を超え、「最多勝争いする器」と驚嘆の声を上げた。

 見るからに重そうな投球が捕手のミットを叩いた。合同自主トレ第1クール最終日に実現した期待の右腕の初ブルペン。周囲の熱視線をよそに、大瀬良はフォームやマウンドの傾斜を確認しながら黙々と投げる。20球目がやや引っ掛かると、即座に声を張り上げた。

 「すみません。もう一丁、お願いします!」

 異例の“おかわり”要求。練習とはいえ1球にこだわり、臆せず声を発する姿だけをとって見ても、並みのルーキーじゃない。「7~8割ぐらいの力」で合計21球を投げ終えると、笑顔で収穫と反省を口にした。

 「何球かシュート回転したけど、指にかかったボールもあり、思っていたより感触はよかった。ただ、最後の1球は納得できない。そういう球をなくしていかないと」

 意識が高い分、自分にも厳しい。そんな右腕に周囲は絶賛の嵐だった。投球を受けた長田ブルペン捕手は「ボールが重たい。ゆっくり始動して真上から投げ降ろすので、ベースの手前でグッと押すし、打者が差し込まれそう」と証言。川端編成部グループ長はあらためて驚きの声を上げた。

 「大学4年の時よりもいい感じで投げている。カープに入って30年たつけど、初投げであれだけバランスよく投げた新人は見たことがないよ」

 1軍投手コーチ経験もある編成のトップは、さらに「オレはもちろん、山内、沢崎や入団当時の黒田より上」と明言。歴代新人王やメジャーリーガーの名前を列挙しながら、黄金ルーキーの近未来まで予想してみせた。

 「新人王と言われているけど、もっと上の器かもしれない。最多勝とかタイトルを狙える投手になってくると思う」

 立場上、多少の身びいきがあるとしても、お世辞だけでここまで言えるもんじゃない。右腕の初投げは、それだけ衝撃的だったということだ。次回のブルペン投球は20日を予定。「まずは真っすぐ。しっかり投げられるようになれば、変化球を遊びで投げるかも」

 ブレずに調整を進める即戦力右腕。大瀬良なら前評判をいい意味で覆す可能性が十分ある。

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2014年1月19日のニュース