巨人ドラ3・田口 ビックリ入寮!「鹿の角」持ってきた!

[ 2014年1月8日 05:30 ]

寮にある沢村栄治氏の写真の前で鹿の角を頭につけておどける田口

 巨人の新人8選手が7日、川崎市のジャイアンツ寮に入寮し、ドラフト3位左腕・田口麗斗(かずと)投手(18=広島新庄)は長さ約50センチの「鹿の角」を持ち込んだ。不老長寿の妙薬とされる珍アイテムのパワーを借りて息の長い現役生活を送り「200勝投手」を目指す。

 ジャイアンツ寮の自室に入ると、もぞもぞと荷物を探った。田口は満面の笑みで報道陣に披露。何と、3つに枝分かれした長さ約50センチの立派な「鹿の角」だった。驚がくの逸品。前代未聞の持参品の理由を説明した。

 「小学校1年生の子からもらったんですけど、鹿の角だったんです。いやあ、開いた口がふさがらなかったです」

 昨年12月8日に開かれた小学校時代に所属した「五日市観音少年野球クラブ」の激励会。田口は小1の野球少年から「僕の宝物です。いつか田口さんのようになるので、(鹿の角を)自分だと思って待っていてください」と手渡された。人生で初めて見る珍プレゼント。「なぜ、鹿の角なのか…」。そう、目を丸くしながらも「小1の子に言われて心に響いた。自分もやるしかない。力になります」と刺激を受けた。

 1メートル70と小柄ながら直球は最速147キロを誇り、切れ味鋭いスライダーが武器。同じ左腕の楽天ドラフト1位・松井裕と比較され、スカウト陣からは「東の松井、西の田口」と称された逸材だ。昨年9月の18Uワールドカップ(台湾)では松井裕とともに日の丸を背負った。鹿の角は漢方では不老長寿薬として用いられ、「200勝投手になりたい」と長く第一線で活躍することを目標に掲げる田口にとって、最高の餞別(せんべつ)品となった。

 入寮直後の昼食時には食堂に坂本が現れ、直立不動であいさつ。トップ選手との対面に緊張感を味わったが「これから楽しみ、ワクワクでいっぱい」と胸を躍らせた。鹿の角は「テレビの正面とか、いつでも見られるところ」に飾る。角のように、プロで立派に成長していくためにだ。 

 ▽鹿の角 鹿の頭部の一部が盛り上がったもので春に根元からはがれ落ちて新しいものが生える。先端は鋭く硬いが、水につけると軟らかくなる。古くから力の象徴とされ、戦の際には兜(かぶと)の飾りにしたり、戦隊の前線に置いて敵を威嚇した。また鹿は日本では神の使いの動物と言われ、新築祝いなどで飾り物として贈られることが多い。

 ◆田口 麗斗(たぐち・かずと)1995年(平7)9月14日、広島県生まれの18歳。小学3年で野球を始め、新庄では1年夏からベンチ入り。3年夏の広島大会決勝で、瀬戸内・山岡と投げ合い、15回を無失点で19三振を奪うなど「広島のドクターK」と呼ばれた。甲子園出場経験のない選手では唯一、昨年9月の18Uワールドカップ日本代表にも選ばれた。家族は両親と妹。1メートル70、75キロ。左投げ左打ち。

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